阪神育成2位・福島 岡田監督も認めた「足のスペシャリスト」 さっそく“プロ初盗塁”

2024年02月13日 05:15

野球

阪神育成2位・福島 岡田監督も認めた「足のスペシャリスト」 さっそく“プロ初盗塁”
阪神紅白戦の7回、福島は二盗を決めた(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【阪神紅白戦   白組2ー2紅組 ( 2024年2月12日    宜野座 )】 虎のケインが魅せた。5回の守備から途中出場した阪神の育成ドラフト2位・福島(白鴎大)が価値あるプロ初盗塁を記録。見せ場は7回に訪れた。死球で出塁した井坪の臨時代走として登場。バッテリーが最大限の警戒を敷く中、迷わず初球にスタート。土に足を取られながらも一気に加速して二盗を決めた。
 「チャンスをもらったので、それを生かすしかない。強い気持ちで臨んだ」

 この試合に懸けていた。前日11日の紅白戦でも盗塁のチャンスはあった。しかしスタートは切れなかった。「行こう、行こうと思いすぎて、足が固まった。悔しかった」。前夜は何度も盗塁のイメージトレーニングを繰り返して眠りに就いた。

 それら心技体の準備が奏功した。50メートル5秒8の脚力を実戦で披露。数多くの選手を見てきた岡田監督も思わず一目ぼれするほどだった。今後は1軍投手を経験させる目的で16日からの第4クールで1軍に昇格させることを即決した。

 「1軍に上げる。走る姿は初めて見た。(阪神に)本当の走り屋いうのはいないからな。(福島には)武器があるのが凄い。佐藤(蓮)はクイック速いからな。あれでセーフになるんやからな。アウトになると思ったけどな。スライディングも良かった」

 足のスペシャリストとしての素質を認めた。また支配下昇格への可能性についても「そらあるよ」と言及。打撃でも6回2死一、三塁から右前へ2戦連続の適時打も放った。通算381盗塁を誇る赤星憲広氏(本紙評論家)からも後継者に指名されたルーキーはアピールに大成功した。

 「走るところを監督も期待していると思う。自分のアピールポイントはそこ」

 次クールからは、憧れる近本とプレーすることもかなう。走攻守で高い能力を秘める新戦力。未完の大器が、そのスピードを生かして一気にスター街道を駆け上がる。(松本 航亮)

 ◇福島 圭音(ふくしま・けいん)2001年(平13)10月6日生まれ、埼玉県出身の22歳。名前はアクション俳優のケイン・コスギが由来。小学3年時に秩父ドリームズで野球を始め遊撃手。秩父第一中では軟式野球部。聖望学園2年時に外野手転向。関甲新学生リーグの白鴎大では1年秋からリーグ戦に出場し、4年春にリーグ新記録のシーズン20盗塁。23年育成ドラフト2位で阪神入り。1メートル71、72キロ。右投げ左打ち。

 《近5年セ盗塁王は阪神勢が独占》ここ5年のセ・リーグ盗塁王は阪神勢が独占しており、近本も中野もシーズン盗塁数の半分以上を2球目までに決めている。20年にパで50盗塁した周東(ソ)は、2球目までに全体の76%にあたる38盗塁。6球目以降は盗塁失敗を含めた企図自体がなく、早いカウントで勝負していることがわかる。

 《島田は二盗に失敗》足のスペシャリストの島田は二盗を失敗した。3回無死、四球で出たミエセスの臨時代走として登場。「突然だった」という起用で続く森下への初球に仕掛け、“梅ちゃんバズーカ”の餌食になった。それでも「狙うなら早いカウント。捕手が梅野さんでチャレンジをしたかった。次につながると思う」と前向き。走力に優れた熊谷、植田は、この日は盗塁の機会はなかった。育成2位・福島の登場で、代走要員を巡る争いが激化しそうだ。

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