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都新宿“イチ流”28点!22年直接指導、直伝「51ドリル」で逆方向徹底

2024年07月09日 05:00

野球

都新宿“イチ流”28点!22年直接指導、直伝「51ドリル」で逆方向徹底
<新宿VS桐ヶ丘・三商・千早>打席内でイチローのようなルーチンワークをする新宿・加藤(撮影・五島 佑一郎) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦   都新宿28-1桐ヶ丘・三商・千早 ( 2024年7月8日    神宮 )】 受け継がれたイズムを着実に実践した。1点を追う2回。都新宿の中川翔太主将(3年)は狙い通り、外角直球を右前へはじき返した。「うまく捉えられました」。チーム初安打を機に一挙6得点。3回には22人攻撃で13安打17得点を奪うなど、19安打28得点の快勝だった。
 2022年11月。マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏が同校を訪れ、実演を交えながら打撃、守備、走塁の技術を伝授した。その後に誕生した練習メニューが、通称「51(ゴーイチ)ドリル」。51はマリナーズ時代の背番号にちなんだもので、従来の横からではなく前方からトスを上げるティー打撃を取り入れるようになった。当時1年生だったのが、現在の3年生。逆方向に打ち返すだけでなく、バットの芯を投球の軌道に入れる意識付けを徹底してきた。

 最後のイチローチルドレンにあたる3年生6人が計13安打。中川は「逆方向に強い打球が打てるようになった」と直伝ドリルの成果を実感した。19安打のうち、中川の全3安打を含む13安打が中堅から逆方向。長井正徳監督も「チームのお手本になる打撃だった」と褒め称えた。

 中川には忘れられない言葉がある。「ちゃんとやってね」。イチロー氏が最後に言い残した言葉だ。文武両道の高校だからこそ、野球も勉強もおろそかにしてはならない。中川は「野球に対しても勉強に対しても向き合い方が変わった。このマインドを後輩たちにも伝えている」とうなずいた。「ちゃんとやった」その先には、93年以来となる夏の最高成績である8強進出が見えてくる。(小林 伊織)

 ≪女子野球強豪・深川クラブ出身の三石主務 選手経験生かしノッカーでナイン鼓舞!≫マネジャーを統率する三石結菜(みついし・ゆうな)主務(3年)は記録員としてベンチ入り。中学時代は女子野球の強豪・深川クラブで主将を務めた実力の持ち主だ。昨秋の新チーム結成時から「自分にしかできないことをやりたい」と選手の経験を生かし、練習ではノッカーを務めるなど貢献してきた。「最終的には甲子園に行きたい」。三石主務に密着した動画の「マネジャー流」はスポニチ公式YouTubeチャンネルで公開中。

 ▽イチロー氏の22年の都新宿指導 都心の一等地、東京のど真ん中にある進学校に、11月26、27日の2日間にわたり、自らの意思で同校に足を運んだ。「僕が興味があって来ました。みんなは勉強をやりながら、野球をやる時間も、グラウンドのスペースも限られている。それなのに地域の野球の普及活動を熱心にやっている」。打撃練習の実演、外野でナインとノック、走塁練習などを実施。「昨日、今日だけで劇的に変われた。勉強も頑張って」と激励した。

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