58勝32敗、勝率・644と最強のフィリーズ 評価される優勝請負人ドンブロウスキー編成本部長の手腕

2024年07月09日 08:20

野球

58勝32敗、勝率・644と最強のフィリーズ 評価される優勝請負人ドンブロウスキー編成本部長の手腕
今季既に10勝をマークしているフィリーズのスアレス(AP) Photo By AP
 ドジャースは9日(日本時間10日)から58勝32敗、勝率・644とMLBトップの成績のフィリーズと対戦する。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が、フィリーズの編成本部長デービッド・ドンブロウスキーの手腕を高く評価している。
 優勝請負人のドンブロウスキーはマーリンズ、タイガース、レッドソックスをワールドシリーズに導いたが、勝つために現有戦力を使い切るタイプと言われてきた。良いベテランをそろえるためにトレードで若手有望株を次々に出し、ファームのタレントがしばしば枯渇してしまう、と。しかしながら2020年12月にフィリーズに雇われてからは、それはしていない。若手有望株はキープ。おかげでランヘル・スアレス投手、アレク・ボーム三塁手、ブライソン・ストット二塁手、ヨハン・ロハス中堅手らが生え抜きで今季の快進撃を支えている。

 シーズン開始前、「ジ・アスレチック」はフィリーズのファームシステムをメジャー19位、「ベースボールアメリカ誌」は21位と評価したが、ドンブロウスキーはもっと高く評価されるべきだと考えている。一方で、トレードではなくFA市場でクオリファイングオファーを拒否した大物選手を獲得してきたことで、ドラフト指名権はたくさん失ってきた。前任者のマット・クレンタックGMの時代からだが、18年にはカルロス・サンタナとジェイク・アリエッタのために2巡目と3巡目の指名権を失い、19年にはブライス・ハーパー、20年にザック・ウィーラー、22年にはニック・カステラノス、23年にはトレー・ターナーのためにそれぞれ2巡目指名権を失った。さらに21年にはJ.T.リアルミュートと再契約したため、ドラフト指名権の補償は受け取らなかった。

 それでもフィリーズは22年、23年と2年連続でポストシーズンに進出し、今年はMLBで最高の成績を維持。レッドソックスのオーナーが、18年にチームを世界一にしたドンブロウスキーを19年9月に解雇したのは、彼のやり方では毎年ポストシーズンに出られる持続可能なチームはつくれないと決めつけたから。しかしながら、ジョン・ミドルトン・オーナーのサポートもあり、フィリーズは毎年ポストシーズンに出ている。そして今年のドラフトについては全ての指名権を維持して臨むことになる。
(奥田 秀樹通信員)

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