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4月新設の厚木王子 逆転サヨナラミラクル劇勝!「忘却バッテリー」モデル校

2024年07月11日 05:00

野球

4月新設の厚木王子 逆転サヨナラミラクル劇勝!「忘却バッテリー」モデル校
<厚木王子・藤沢工科、深沢>9回、サヨナラで試合に勝利した厚木王子ナイン(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦   厚木王子5-4藤沢工科・深沢 ( 2024年7月10日    いせはらサンシャイン )】 新設校が劣勢をはね返し、新たな歴史を切り開いた。1―4の9回1死一、二塁。厚木王子の初代主将を務める4番・鈴木空(3年)が、切なる思いをスイングに込めた。「どうしても勝ちたかった」。左翼線2点二塁打で勢い付くと、3連続四球で同点。最後は西郷瞬矢(1年)の中前適時打で、ハンドボール部からの助っ人1人を含めた部員10人のチームが逆転サヨナラで初戦を突破した。
 今年4月に厚木東と厚木商が統合して開校。厚木商には野球部がなく、2、3年生の6人はいずれも厚木東の野球部員だった。厚木王子に入学した1年生3人を加えた9人が、最高気温32度の中で一人も交代することなく2時間56分の熱戦にフル出場。勝利への執念が、土壇場でのミラクルを呼んだ。

 「(投手陣は)打たせて取るので、特に1年生が入ってからは3年生を中心に、守備位置や動きの確認を取るようにしてきました」

 厚木東で1年秋から主将だった鈴木は苦難の歩みを振り返った。部員不足の中、4人の3年生が1年生の指導を率先。右翼・西郷の5回の好守は、3年生の中堅・深瀬桜晴(おうせい)が指示したポジショニングが奏功した。3年生の2学年先輩にあたるOBたちもサポート。7日も練習を手伝い、和田晃監督は「チームを育ててくれた」と感謝した。

 大ヒットアニメ「忘却バッテリー」は、野球部を一からつくり上げていくというストーリー。「新しい歴史をつくろう」というチームの合言葉にも重なる。厚木東のOBがアニメの制作に携わり、同校のグラウンドなどがモデルになった縁もある。厚木王子の10人のニュープリンスたちが忘れられない夏を過ごす。(鶴田 杏子)

 ▽忘却バッテリー ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」で連載中の野球漫画で、18年4月26日から開始。中学野球界で名をはせながらも、それぞれの事情で野球から遠ざかっていた天才たちが都立の野球無名校で偶然再会し、発足したばかりの野球部で再び情熱を燃やすストーリー。コミックは18巻まで発売され、今年4月10日から7月3日まではテレビ東京系列でアニメも放送された。

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