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大谷の全200本塁打を分析したアドラー氏が選ぶシグネチャーホームランは18年メジャー3号

2024年07月15日 01:30

野球

大谷の全200本塁打を分析したアドラー氏が選ぶシグネチャーホームランは18年メジャー3号
18年4月6日、エンゼルスタジアム名物「ロックパイル」に3号ソロを放つ大谷 Photo By スポニチ
 大谷の全200本塁打を分析してきた大リーグ公式サイトの「スタットキャスト」メンバーのデービッド・アドラー氏(32)が本紙の取材に答え、大谷の「シグネチャーホームラン(象徴的な本塁打)」を選んだ。1年目の18年4月に放ったメジャー3号がその一本で、左打者ながら逆方向の中堅左へ力強く運ぶ放物線を大谷らしい一発と認定した。
 23年6月30日のダイヤモンドバックス戦で放った飛距離493フィート(約150メートル)の30号(通算157号)は、昨季メジャー全体でも最長飛距離の本塁打で「大谷らしい」一発だった。初めて投打同時出場した21年4月4日のホワイトソックス戦で初回に101マイル(約163キロ)を投げた後に打った速度115・2マイル(約185キロ)、飛距離451フィート(約137メートル)の2号(通算49号)は「野球界のユニコーン」であることを印象づけた。

 ただ、個人的に最も気に入っている本塁打は18年4月6日のアスレチックス戦で、エンゼルスタジアム名物の中堅左奥の岩山「ロックパイル」に打ち込んだメジャー3本目だ。速度112・4マイル(約181キロ)、飛距離449フィート(約137メートル)。左打者の逆方向の打球としてはエリートレベルのパワーで、我々にとって最初の彼による「証明」だった。

 大谷の「シグネチャーホームラン(象徴的な本塁打)」は中堅から左方向にスライスしながら伸びていく打球だ。200本塁打中、データ解析システム「スタットキャスト」の判別による中堅方向へのアーチは86本。この数字には中堅に真っすぐ飛んだ打球と、左右に少しそれた打球も含まれる。86本は大谷がデビューした18年以降、メジャー最多だ。

 18年以降、「スタットキャスト」のメンバーである私の手元には、膨大な大谷関連のデータが入ってきている。メジャー移籍前からファンも大谷の活躍を楽しみにしていた。その後、大谷が積み上げた数々の記録の始まりとして、初めての「シグネチャーホームラン」だった名刺代わりのメジャー3本目がやっぱり忘れられない。

 ▽シグネチャー(signature) 直訳では署名(サイン)や署名することを意味するが、形容詞として「代表的な」「自慢の」「象徴的な」という意味でも使われる。レストランでは「signature menu」(看板メニュー)、ファッションなどでは「signature model」(代表作)など。

 ≪エンゼルス担当記者は3人一致 初の投打同時出場の一発≫大谷が18年から6シーズン過ごしたエンゼルスで番記者経験がある3人は、そろって同じ本塁打をイチ推しに挙げた。初めて投打同時出場した21年4月4日のホワイトソックス戦でシース(現パドレス)から右翼席に運んだ通算49号のソロだ。

 オレンジカウンティ・レジスター紙のジェフ・フレッチャー記者は「あの本塁打が彼がこれからどうなるか教えてくれた」と語り、大リーグ公式サイトのレット・ボリンジャー記者は「初回に101マイル(約163キロ)の球を投げたその裏に、本塁打を打った。世界最高の選手であることを示した」と称えた。

 この一発を号砲に二刀流で本格ブレークを果たし、9勝&46本塁打で初のMVP受賞まで駆け抜けた。スポーツサイト「ジ・アスレチック」で21年途中までエ軍担当を務め、現在はド軍担当のファビアン・アルダヤ記者も、最も印象に残る本塁打に挙げ「記者席から見ていたが、凄い打球音だったことを覚えている」と振り返った。

 ≪ドジャース関係者も厳選本塁打≫ドジャースの新たな戦友たちも大谷の本塁打を愛してやまない。18年MVPの遊撃手ベッツは印象的な一本に24年7月2日ダイヤモンドバックス戦の27号逆転2ラン(通算198号)を挙げ「あれは場面も素晴らしかった」。左手骨折のリハビリ中で「翔平の一番の素晴らしさは一貫性。毎年同じことを続け、誰にもできないことをする。同じチームでうれしい」と続けた。

 救援左腕ベシアは24年4月3日のジャイアンツ戦の移籍1号ソロ(通算172号)を選択。「今まで聞いたことがない凄い打球音がした」と語った。「ブルペンからいつも見ているが彼の打球音は違う。いつも打球速度が115マイル(約185キロ)くらい出ていることに驚く」と加えた。

 オレンジカウンティ・レジスター紙ド軍担当のビル・プランケット記者は、24年4月23日ナショナルズ戦の6号ソロ(通算177号)がお気に入り。自己最速118・7マイル(約191キロ)の打球を「あれはロケットだ。球場に穴があくかと思った」と振り返った。

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