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阪神・梅野が頭脳プレーで救った ゲラの暴投をベンチに“スルー”「捕っても間に合わないと思いました」

2024年07月15日 08:00

野球

阪神・梅野が頭脳プレーで救った ゲラの暴投をベンチに“スルー”「捕っても間に合わないと思いました」
<中・神>8回、ゲラの暴投したボールが中日にベンチに入るのを見つめる梅野(手前)(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神6―2中日 ( 2024年7月14日    バンテリンD )】 【畑野理之 談々畑】阪神は3回表に投手・西勇輝の中前打で先制。しかし5回裏に今度は中日の先発・松葉貴大に中前に適時打をやり返されて追いつかれた。試合は1―1のまま延長戦へ。10回表に阪神が相手守備の乱れから5得点して、同一カード3連敗を免れた。
 6回から9回までの表裏8イニングは両チームとも得点チャンスの連続だったが、決定打だけは許さない、しのぎ合い。捕手の梅野隆太郎は「西勇から中継ぎ投手みんながよく粘ってくれたおかげ」とゼロでつないだ投手陣を勝因の大きな一つに挙げた。

 その梅野にも“ファインプレー”があった。8回裏、この回からマウンドに上がったハビー・ゲラが1死一塁で、打者・板山祐太郎への2球目スライダーが足元にワンバウンド。捕球できずに暴投となったボールはバックネットに跳ね返って一塁側の中日ベンチの中までコロコロと転がった。追いかけていた梅野は最後、ちょっとスピードを緩めてボールをつかむのをわざと諦めたようにも見えたが、決して怠慢プレーではない。

 「はい、捕るのをやめました。捕っても、もう三塁には間に合わないと思いましたし、それならテイクワンベースの方がいいですし、その後の守りが全然違いますから」

 一塁走者の高橋周平は三塁まで到達していたが、ベンチに入ったためボールデッドとなり二塁に戻され、1死二塁から試合は再開。板山を空振り三振、加藤匠馬を左飛に打ち取り、無失点で切り抜けた。もしも梅野がボールに触っていたら1死三塁になっており内野ゴロでも外野飛球でも、暴投や捕逸でも勝ち越される状況が生まれる。内外野のポジショニングも、梅野の配球も違うものになり、失点する可能性は高くなっていた。

 ブロッキングに定評のある梅野は数々のワンバウンドを止めてきたが、まさか後ろにそらしてしまった後でも冷静でいられるなんてビックリ。マウンドのゲラが助けられただけではなく、もしも梅野のとっさの頭脳プレーがなければ10回の原口文仁の決勝打も、植田海のプロ初の三塁打も存在しなかったかもしれない。ゲラに「暴投」という記録が一つ付いてはいるが、阪神は守り勝ったのだと思う。 

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