【独占手記】史上初の400ホールド達成!日本ハム・宮西「このチームでもう一度、日本一を」

2024年08月05日 06:00

野球

【独占手記】史上初の400ホールド達成!日本ハム・宮西「このチームでもう一度、日本一を」
<ソ・日>通算400ホールドを記録した宮西(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   日本ハム2―3ソフトバンク ( 2024年8月4日    みずほペイペイD )】 日本ハム・宮西尚生投手(39)が4日、ソフトバンク戦で1点リードの8回から登板し2/3回を1安打無失点に抑えて、今季7ホールド目をマークし、プロ野球史上初の通算400ホールドの金字塔を打ち立てた。今季は8年ぶりの開幕2軍スタートとなった左腕が、前人未到の大記録までの心境、葛藤などをスポニチ本紙に独占手記として寄せた。
 ああ、やっと達成できたな、という感じですね。本当にありがたいことにスタンドのホークスファンの方々にも拍手を送っていただき、コンちゃん(近藤)とか有原とかホールドに貢献してくれたかつての仲間がいる前で達成できたのは、本当に良かったなと思いますね。

 今年は左肘手術明けだった2016年以来、8年ぶりに開幕2軍スタートでした。故障以外ではプロ入り後初めてで、もう世代交代の波にあらがうことはできないのかと覚悟していました。400ホールドという目標も心なしか「ああ、やっぱり取れへんのかな」と正直、諦めかけた時期もありました。

 「このまま引退するんかな」と思っていた6月上旬、新庄監督から一通のダイレクトメッセージが届きました。1軍昇格の連絡でした。僕が「頑張ります」と返信すると、監督は「頑張るんじゃなく、楽しめ」と。1軍は戦場です。今まで死ぬ気で投げてきた僕に「楽しむ」という発想が、最初は分かりませんでした。

 ただ、純粋にうれしかったんです。ずっと1軍で投げてきて、ファームの選手の気持ちも分からなかった。今年は2軍で若い子と一緒に練習して、1軍に見送っては出迎えて。自分の昇格を聞いた時はルーキーの時に感じた「よっしゃ、1軍だ!」という気持ちに似ていて、その時に「あ、楽しむってこういうことかも」と思ったんです。

 若い時から何度も救援失敗して、先にクビになった選手をたくさん見てきました。自分のミスがなければ、もう一年長く野球をやれていたかもしれないと考えると、「絶対に抑えなあかん」と勝手に背負い込んでいました。ただ、その「楽しめ」という言葉で、プロ入りから17年分全部のストレスがポンと消えたように、肩の荷が下りた感じがしました。

 プロ入りから引退まで第一線でプレーし続けることは難しいことだと分かっていますが、そこにあらがいたい気持ちもありました。ですが、久しぶりに1軍に昇格して(松本)剛ら中堅たちを見て感じたんです。「ああ、もうこいつらのチームなんや」って。しっかりしてきて本当に頼りになる。だから邪魔せず、このチームの輪で一緒に楽しもうという感覚にもなれました。

 最近では、自分の引退はどういう形なのかなと考えます。ボロボロになってでもやる姿も必要ですし、まだできると惜しまれて辞めていくのもかっこいい。でも、やっぱり自分の中でやり切ったと思えるか思えないかだと思います。今は最後まで走り抜けて、日本シリーズで勝って終わるのが最大の目標です。まだ、優勝の可能性は残っています。このチームでもう一度、日本一を味わいたいです。(北海道日本ハムファイターズ投手)

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