担当記者が考えるパリ五輪後の“大谷一辺倒”報道 歴史的パフォーマンスを見逃してはならない

2024年08月19日 08:00

野球

担当記者が考えるパリ五輪後の“大谷一辺倒”報道 歴史的パフォーマンスを見逃してはならない
ドジャース・大谷翔平 Photo By スポニチ
 【記者コラム 】 パリ五輪の熱戦は8月11日(日本時間12日未明)に幕を閉じ、スポニチ本紙(東京版)は翌13日からドジャースの大谷が3日連続で1面を飾った。
 13日付は「28年ロスの主役はOHTANI」、14日付は「大谷 驚弾129メートル36号」、15日付は「大谷 2戦連発 ほぼ50発ペース」という見出し。1日挟んで17日付も「どうなる!?大谷 MLB新ルール検討」という記事が1面となった。

 SNSなどインターネット上のコメントでは、五輪後の“大谷一辺倒”のスポーツ報道を揶揄する投稿が散見されたが、大谷担当11年目の私は真っ向からこのテーマに立ち向かいたい。それほど大谷に関する報道の重要度が高いと感じているからだ。

 昨年9月に右肘の手術を受けた影響で今季は打者に専念する今季の大谷は17日(日本時間18日)時点で121試合に出場し、打率・291、38本塁打、87打点、37盗塁を記録し、年間49本塁打、48盗塁ペース。史上6人目の40本塁打、40盗塁「40―40」は目前に迫り、史上初の「45―45」も射程圏。史上4人目の両リーグ本塁打王、史上2人目の両リーグMVPも視野に入っている。

 8月はやや不振に陥っているとはいえ、開幕前に誰がここまでの成績を予想しただろうか。打者専念とはいえ、今夏の球宴では、普段の打撃練習でスイング数に制限があることを明かしたように、右肘のリハビリ中であることを忘れてはならない。私は大谷がスイング時の右肘の違和感を払しょくするのにもう少し時間を要すると予想してたが、良い意味で裏切られた結果となった。

 水原一平元通訳の違法賭博、銀行詐欺事件による精神的影響や、プロスポーツ史上最高額の大型契約を結んだプレッシャーもあったのは間違いない。どんな状況であろうと、結果で示し、ファンやチームの期待に応えている事実は感服するしかない。

 米メディアや選手、コーチは昨季まで大谷の二刀流での活躍を「Don’t take it for granted(当たり前だと思ってはいけない)」と表現することがあったが、打者専念の今季も同じだ。野球に興味がある方はもちろん、興味がない方も是非、一度球場に足を運んで大谷のプレーを生で見てもらいたい。今後2度と見ることができないような、後世に伝わるようなパフォーマンスを見ることができるからだ。

 節度を保ちながら、大谷の一挙手一投足を全国の野球ファンに報じていく。一生に一度の選手を目の当たりにしている緊張感と覚悟をもって、取材に臨む。担当記者の1人として、その姿勢と信念を忘れてはならないと強く感じている。(記者コラム・柳原 直之)

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