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イチロー氏と東京ドームで“再会”した女子選抜チームの佐々木秋羽「奇跡に近いと思います」

2024年10月01日 05:30

野球

イチロー氏と東京ドームで“再会”した女子選抜チームの佐々木秋羽「奇跡に近いと思います」
<KOBE CHIBEN・高校野球女子選抜>3回、イチロー氏の投球をカットする高校野球女子選抜・佐々木(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(50)が率いる「KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」のエキシビションマッチが9月23日、東京ドームで行われた。今年で4年目の試みだった。
 女子選抜の「7番・二塁」で先発出場した花巻東(岩手)の佐々木秋羽(しゅう)内野手(3年)にとって、特別な一戦だった。

 19年3月21日。佐々木は同校野球部の監督を務める父・洋氏と東京ドームの三塁側スタンドにいた。マリナーズに所属していた花巻東OBの菊池(現アストロズ)がアスレチックス戦でメジャーデビューを飾った試合だった。

 「試合途中でイチローさんが引退するというのを知って、球場がそういう雰囲気になって。皆さん、イチローさんにカメラを向け始めて…。それが凄く印象に残っています。イチローさんを目に焼き付けなきゃと思って。試合後に雄星さんとイチローさんがハグしていて、雄星さんが泣いていらして、イチローさんを本当に尊敬しているのがよく分かりました。その光景も印象的でした」

 衝撃の引退試合を偶然、目にしていたのだ。あれから5年が経ち、同じ東京ドームでイチローとの対戦が実現した。「イチローさんと試合ができるなんて、奇跡に近いと思いますし、運命かなと。本当にいい経験になりました」と感激しきりだった。四球と空振り三振だったが、投手・イチローの印象はどうだったのか。

 「目が本気でした。サードの松井さんはニコニコされていたんですけど、イチローさんは本気の目で投げていた。どんな試合でも本気なんだなと思いました。ボールは速かったです。50歳であれだけのボールを投げられるのは日々の練習から自分に厳しくされているんだなと。父がたまにバッティングピッチャーをしてくれるんですけど、全然ボールが違いました(笑)」

 兄はスタンフォード大に進学した麟太郎で、自然と自身も野球にのめり込んだ。高校卒業後も「野球は続けます」と、今後もプレーすることを決めている。本気のイチロー氏との対戦を経て「力のなさを痛感しました。球に押されて悔しかった。パワーがないなと思ったので、トレーニングをもっと頑張ろうと思いました」と課題も見つかった。

 試合後の写真撮影は、興奮の連続だった。イチロー氏から「お父さんとアリゾナで会ったよ。お父さんによろしく!」と話しかけられ、松坂大輔氏には「佐々木麟太郎くんの妹さんだよね?」。さらに「松井(秀喜)さんからは二塁に強い打球があったので大丈夫?って心配してくれました」と偉大な3選手から言葉をかけてもらった。

 試合は3―17の大差で敗れたが、女子選手にとっては、夢のような時間だった。佐々木は言う。

 「一流の選手の凄さを実感しました。松井さんは前日に日本に来られて、それで、ホームラン打ったり凄いなと。イチローさんと対戦できるかもしれないから、女子野球の選手にとって一つのモチベーションになっていると思いますし、女子の技術向上にもつながると思います。年齢が上がっていくにつれて大変だとは思うんですけど、こういう試合が続くとありがたいなと思っています」

 イチロー氏の本気を感じ取ったことは、大きな財産。東京ドームで“再会”できたことが、今後の野球人生に影響を与えることは間違いないだろう。(川島 毅洋)

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