DeNA2年目右腕・吉野　圧巻のノーノー降板　番長流脱力投法が奏功「うまくはまりました」

2024年10月01日 05:30

野球

DeNA2年目右腕・吉野　圧巻のノーノー降板　番長流脱力投法が奏功「うまくはまりました」 — ＜神・De＞6回無安打無失点の好投だった吉野（撮影・後藤　正志） Photo By スポニチ

【セ・リーグ DeNA2－0阪神（ 2024年9月30日甲子園）】 3位のDeNAは30日、阪神を2―0で下し、クライマックスシリーズ（CS）進出を争う4位・広島に2ゲーム差をつけた。甲子園初登板となった2年目右腕の吉野光樹投手（26）が、6回無安打無失点で3勝目。救援陣も球団初の継投ノーヒットノーランにあと3アウトに迫る8回まで無安打に抑え、連敗を止めた。最短で2日、3年連続6度目のCS進出が決定する。

　派手なアクションはなかった。4回1死一、三塁のピンチを脱しても、6回2死から森下を左飛に抑えても、吉野はガッツポーズを見せずにマウンドを降りた。

　「思い切ってやってみて、うまくはまりました。監督の助言通りだと肌で感じたし、無安打も変に意識しなかった」

　2戦連続で5回持たずにKOされて迎えた登板。前日の甲子園練習中に三浦監督から「抑えたい（思い）が強すぎる。力を抜く勇気を持て」と助言された。力まない、抑えたいと思わない…。吉野は番長の金言を実践。0―0の4回1死から森下に死球を与えるなど一、三塁のピンチでも、佐藤輝をフォークで空振り三振、前川を直球で左飛と切り抜けた。脱力を意識したことで140キロ中盤の直球は切れ、武器のフォーク、カットボールが生きた。6回を投げ3四死球も無安打のまま降板。指揮官も「本当によく投げた」と称えた。

　甲子園では人生初登板だった。1学年下のヤクルト・村上とバッテリーも組んだ熊本・九州学院時代は、2年の春夏甲子園出場もベンチ外。初回、マウンドに上がって超満員の球場を見渡し「これが甲子園か」と雰囲気を感じてから試合に臨んだ。救援陣も8回まで無安打継投。21年のソフトバンク以来3年ぶり6度目で、球団初の継投ノーノーは逃したが、4投手の完封継投と連敗ストップに貢献した。CSでも対戦の可能性がある2位・阪神に勝利し、4位・広島とは2ゲーム差に広げた。1日の本拠地の広島との直接対決に勝利すれば、2日にも3年連続のCSが決まる。

　「高校時代自分が投げられなかった場所で勝てた。一つの収穫を得ました」と吉野。チームにとっても大きな勝利だった。（大木　穂高）

　≪今日明日連勝で確定≫DeNAが勝利し、4位・広島とのゲーム差を2に広げた。最短でのCS進出決定は2日。1日の広島戦と2日の巨人戦に連勝すれば無条件で3位が確定する。広島に勝ち、巨人に引き分けか敗戦の場合でも広島の2日のヤクルト戦の結果次第で3位が決まる可能性はある。1日の広島戦に敗れると、3位決定は3日以降に持ち越しとなる。