ついに茨田りつ子・菊地凛子も「虎に翼」&「ブギウギ」異例コラボの背景 同じ時代&巧みな史実アレンジ
2024年06月27日 08:15
芸能
![ついに茨田りつ子・菊地凛子も「虎に翼」&「ブギウギ」異例コラボの背景 同じ時代&巧みな史実アレンジ](/entertainment/news/2024/06/27/jpeg/20240627s10041000110000p_view.webp)
向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。
第64話は、佐田寅子(伊藤沙莉)と多岐川幸四郎(滝藤賢一)は代議士・立花幸恵(伊勢志摩)とともにラジオの婦人向け情報番組に出演。家庭裁判所の存在は広く知られるようになる。寅子の活躍の一方、轟太一(戸塚純貴)山田よね(土居志央梨)、そして大庭梅子(平岩紙)は予想だにしない事態に直面し…という展開。
梅子が大庭家を捨てた頃、ラジオ局。多岐川は久藤頼安(沢村一樹)に「もっと早く気づくべきだった。殿様判事頼安の最も有効な使い方に」。寅子は「はて。もう少しきちんと説明していただけませんか」と困り顔。ブースの中に目を向けると、そこには茨田りつ子(菊地凛子)の姿があった。「茨田…りつ子さん」と目を丸くした。
久藤はりつ子に「昔のよしみで、僕の頼みをきいてくれない?」とウインク。多岐川はポスター用の写真を撮った。
「こうして、殿様判事の驚くべき交友関係により、愛のコンサートに人気歌手・茨田りつ子の出演が決定。家庭裁判所のポスターのモデルも、快く引き受けてくれました」(語り・尾野真千子)
りつ子は「ブギウギ」の主人公・福来スズ子(趣里)の生涯のライバル。スズ子はりつ子の「別れのブルース」に感銘を受けた。モデルは「ブルースの女王」と呼ばれた歌手・淡谷のり子。
「虎に翼」のモデル・三淵嘉子と「ブギウギ」のモデル・笠置シヅ子は偶然にも、同じ1914年(大正14年)生まれ(敬称略)。同じ時代を描くことになったため、「虎に翼」には「ブギウギ」ネタが度々盛り込まれてきた。
初回、寅子が入団を目指したのはスズ子と同じ「梅丸少女歌劇団」。第53話(6月12日)、多岐川の鼻歌は「ブギウギ」のモデル・笠置シヅ子の「東京ブギウギ」。第61話(6月24日)には、レコード会社一覧にスズ子らが所属した「コロンコロン(レコード)」。第62話(6月25日)、ついに寅子の口から「(愛のコンサートに)福来スズ子なんて呼べるわけないでしょう」とスズ子の名前が飛び出し、スズ子やりつ子らの登場に期待が高まっていた。
史実を巧みにアレンジした作劇が光る。
番組公式ガイドブックによると、三淵は宝塚歌劇団のファンでダンスも得意だったことから、寅子は歌と踊りが上手な設定に。「梅丸少女歌劇団」を受験しようとした。
また、ジャーナリスト・清永聡氏の「家庭裁判所物語」(日本評論社)によると、多岐川のモチーフとされる家庭裁判所の父・宇田川潤四郎は「家庭裁判所創設記念週間」を企画し、宣伝活動を展開(敬称略)。この日の第64話でも描かれたラジオ出演やポスター制作も、宇田川が実際に行った。
そして、「愛のコンサート」へのりつ子出演にあたり、第13週は「ブギウギ」の脚本を担当した足立紳氏も制作に参加。オープニングタイトルバックに「脚本協力 足立紳」とクレジットされた。
「愛のコンサート」はどのように描かれるのか、りつ子の歌唱シーンがあるのか、注目される。