藤井王位 最年少永世2冠 羽生九段超え22歳1カ月「幸運もあった」

2024年08月29日 05:30

芸能

藤井王位 最年少永世2冠 羽生九段超え22歳1カ月「幸運もあった」
「永世王位」の揮毫を持参して会見した藤井聡太王位 Photo By スポニチ
 将棋の藤井聡太王位(22)=王将を含む7冠=に渡辺明九段(40)が挑む第65期王位戦7番勝負は28日、神戸市の有馬温泉「中の坊瑞苑」で第5局2日目が指し継がれ、先手藤井が97手で勝利した。4勝1敗とし、シリーズ制覇。連続5期により永世王位の資格を獲得した。同時に、7月獲得の棋聖と合わせて永世2冠に輝いた。いずれも羽生善治九段(53)の史上最年少記録を更新した。
 関西の奥座敷に夕闇が迫る頃、渡辺が腕組みして下を向くシーンが増えた。午後6時21分投了。「負けました」の言葉に渡辺への敬意からだろう。「ありがとうございました」と藤井は呼吸を合わせるように応じた。

 「対局に臨む上では意識しなかった。うれしく思うし、5期を通していろんな経験ができた」。永世王位は最年少のおまけ付き。従来の記録は羽生の26歳11カ月で、最年少ダブル永世も羽生の24歳9カ月。22歳1カ月の藤井が永世王位を4年10カ月、ダブル永世を2年8カ月更新した。

 「0勝3敗でもおかしくない」。藤井の師匠、杉本昌隆八段(55)が担当理事として訪れた第4局の前夜祭で第3局までを総括した。藤井いわく「作戦家」の準備に序中盤を押された。一転、第4局以降はほぼ互角で中盤を通過して勝利。「防衛という結果には幸運もあった」と藤井も苦戦を認めた。

 21年11月に竜王を奪い、4冠となるまで棋士の序列1位は渡辺だった。つまり新旧の序列1位対決。戦前、その意地がぶつかる場面があった。1日2回、おやつを取る場所で対応が分かれた。

 コロナ下では、感染拡大防止のためタイトル戦では自室で取る。感染症法上の5類に移行して1年余り。03年度王座戦から出場している渡辺は「コロナ対応が終わっているなら元(対局室)に」。対してコロナ対応が始まった20年度以降出場の藤井は「従来通り控室で」。両者そのスタイルは決着まで通した。

 6月の叡王戦で8冠独占の一角が崩れても最強挑戦者を退け、棋聖戦に続き7冠を維持。9月4日からは永瀬拓矢九段(31)の挑戦を受ける王座戦5番勝負が開幕する。「崩れず、アベレージを保って戦うことが大事」。8冠時代、独占が崩れた未来を想像して語った。22歳はその覚悟を内容と結果で示している。 (筒崎 嘉一)

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