尾崎ガックリ19位「じわじわダメージ受けた」
2012年08月06日 06:00
五輪
優勝したティキ・ゲラナから遅れること4分36秒、尾崎がようやくゴールに戻ってきた。09年ベルリン世界選手権で銀メダルを獲得し、エース格と見られながら19位に沈没。「アップダウンで、じわじわダメージを受けた。今までで一番厳しいコースだった」と肩を落とした。
惨敗だった。メダル争いの歓声から遠く離れ、2大会連続で入賞にも手が届かなかった。レース開始40分前に雷雨となる悪天候下でのスタート。水たまりの中を走り抜ける序盤はスローペースで進み、15キロ時点では尾崎や重友も先頭集団を引っ張った。だが、24キロを過ぎるとケニア、エチオピアのアフリカ勢がペースアップ。直前に遅れ始めていた日本勢は、一気に離されていった。
何とか食らいつこうと必死だった尾崎も差は広がるばかりで、「もともとのスピードがもう少しないと厳しい」と嘆いた。第一生命の山下佐知子コーチは「戦略は間違っていない。力不足。地力低下していることに尽きる」と振り返った。最後は木崎にもかわされ、日本人トップも明け渡した。
執念でつかんだ夢舞台だった。代表内定を狙った昨年の世界選手権で18位に沈み、国内選考会第1弾の横浜国際でも惨敗。3度目の選考会チャレンジとなった3月の名古屋ウィメンズでようやく初切符を獲得した。
神奈川・相洋高時代は全国的には無名。第一生命に入社しても初マラソンまで8年かかった苦労人。じっくり力をつけてきたが、現実は厳しかった。レース後には「このままでは終わりたくない」と話した。ただ世界との差を埋めるには、高いハードルを越えなければならない。