競歩銅・荒井の姉貴分も大喜び 元女王で現在老舗旅館女将
2016年08月21日 05:30
五輪
競歩でアテネ、北京、ロンドンと3大会連続五輪出場。ロンドン後の2012年秋に引退し、石川県・粟津温泉の老舗旅館「喜多八」3代目重光さん(39)と結婚。“日本一速く歩く女将”になった。
荒井は現役時代、合同合宿などで何度も顔を合わせた「かわいい弟のような存在」。荒井は大学卒業後、13年4月までは喜多八から約800メートルの距離にある亀の井ホテル(現ホテルAZ)に所属。わずか3カ月程度だが、地元の同業者としての付き合いもあった。「いじられキャラだけど、頼れるところもある。機械に強く、パソコンの設定をしてもらうなど助けてもらった」と振り返る。
“弟”の晴れ舞台は自宅のテレビで見守った。「ダンフィー選手との競り合いはドキドキした。荒井くんに“今から気を送るよ”とLINEでメッセージを送りました。もちろんレースが終わるまで、見ることはできないんですけどね」と笑った。
競歩王国の石川県。五輪選手を輩出し、輪島市では日本選手権大会50キロ競歩、能美市では全日本競歩能美大会が毎年開催されている。荒井は13年に自衛隊体育学校に移籍した後も同県を訪れ、喜多八を利用することもある。6月にも訪ねてきて、喜多さんはフルーツゼリーなどの差し入れをした。
「銅メダルを獲ったし、今まで以上におもてなししてあげないといけませんね。一番スペシャルな部屋でサービスしてあげなければ」と再会が待ち遠しそう。荒井だけでなく日本競歩界の成長をたたえ「みんな成長株だから、4年後が楽しみです」と、東京五輪でさらなる活躍を期待した。