岩渕麗楽が号泣「また4位に…」 それでも超大技女子初の縦3回転挑戦で各国選手が称賛の抱擁

2022年02月15日 11:55

スノーボード

岩渕麗楽が号泣「また4位に…」 それでも超大技女子初の縦3回転挑戦で各国選手が称賛の抱擁
<北京五輪 ビッグエア女子決勝>1回目の試技をする岩渕麗楽(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【北京冬季五輪第12日 スノーボード女子ビッグエア決勝 ( 2022年2月15日    首鋼ビッグエア競技場 )】 女子決勝が15日、行われ、岩渕麗楽(れいら、20=バートン)が4位に入った。合計得点は166・00点だった。
 1回目、2回目とともにダブルコーク1080を決め、3回目は大技のトリプルアンダーフリップにトライ。着地で転倒したものの、高難度の技へ果敢に挑んだ姿勢に他国の選手がコースへ称賛の抱擁に駆けつけた。

 インタビューでは涙しながら「また4位になってしまって。悔しい気持ちの方が多いけど、でも、最後チャレンジできてよかった」と第一声。「一緒に競っていた選手が喜んでもらえてよかったです。4年間やってきたことは出せた。ここですごいたくさんの人に応援してもらってうれしかったです」と話した。

 4年前の平昌五輪ではたった一つの判断ミスにより冬のヒロインになり損ねた。当時新種目だったBA決勝2本目で縦2回転、横3回転するバックサイドダブルコーク1080(DC10)を試みて手をついた。逆転メダルへ後がない3本目、攻めの気持ちを貫いて再びDC10に挑戦も、回転不足で尻もちをつき4位。

 「一瞬のことだったけど、もうちょっと強く回すか、先行動作を入れるか、凄く迷った。風を気にして弱くした結果、立てなかった。その判断ミスは強く記憶に残っている」。強気の勝負に出たが、最後に弱気の虫に負けた。ただ、0・1秒にも満たない一瞬の判断ミスの原因を、自分自身の取り組みに求めた。

 まず取り組んだのが肉体改造。どんな状況でも着地できる体をつくるため、長友佑都や久保建英ら多くのサッカー選手を指導してきた木場克己氏に師事した。体幹トレーニングの草分けである同氏の下で、定期的にトレーニング合宿を敢行。技の成功率は大きく上がった。

 精神面も成長した。練習で妥協したくなった時、思い出すのは平昌のこと。「ここでやらなければ同じ結果になる、と思うようにしている。いい意味で、気持ちを引きずっている」。メダルを逃したとはいえ、多くのスポンサーが付くようにもなった。「楽しくやりつつも、スノボをすることに責任も感じるようになった」と、自分一人を数え切れないほどの人が支えてくれていることを、常に頭の片隅に置いている。

 平昌には両親や祖父母が駆け付けてくれたが、北京は新型コロナウイルスの影響で外国からの観客入場が見送られた。「前回の結果は、私以上に周りががっかりしたと思う。メダルを持って帰りたい」と誓っていた。

◆岩渕麗楽(いわぶち・れいら)
 ☆生まれ 2001年(平13)12月14日生まれ、岩手県一関市出身の20歳。
 ☆競技歴 4歳でスノーボードを始める。幼少期から各種大会で活躍し、中1でプロ転向。中3だった17年の全日本選手権スロープスタイル(SS)で初優勝。同年からW杯に参戦し、12月には米コッパーマウンテンでのBAで初優勝。18年平昌五輪代表に選出され、BA4位、SS14位。W杯通算7勝。
 ☆特技 海外遠征ではキッチン付きの部屋に泊まることが多いことから、10代の頃から料理が得意。得意料理は海外に多いオーブンを使ったグラタンやドリア。和食ではサバの味噌煮。
 ☆趣味 最近ハマっているのが写真。チームのカメラマンから一眼レフを譲り受けて以来、景色やポートレートを撮って楽しむ。競技の撮影をすることも。
 ☆スポ根 プロになるまでは父・和宏さんがコーチ役を務めており、指導ではシビアな一面も。大会では優勝しても内容が悪いと「片道4時間の帰りの車中で、ぶっ通しで怒られたこともあります」。
 ☆ルーティン 試技のギリギリまで音楽を聴くこと。「何も考えない状況をつくりたい。周りを遮断したい」ことから、曲やアーティストにこだわりはなく、歌詞の内容が分からない洋楽が中心。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2022年02月15日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム