新十両・玉正鳳「一発勝負は何があるか分からない」幕内V経験者4人の激戦場所で再び“大物食い”だ
2023年03月04日 15:11
相撲
三番稽古の次に行ったのが、序二段の2人を同時に相手する“1対2相撲”。師匠の片男波親方(元関脇・玉春日)が考案し、玉鷲が昨年の春場所前から取り組んできたオリジナルの稽古方法だ。最初の2番は前方に2人で、ここは難なく退けた。次の5番は前方に玉天翔、後方に玉の寅と2人にはさまれた状態からスタート。前にいる相手を押し出した後、背後にくっついている相手への対処にはかなり苦戦していた。最後は前方2人態勢に戻して6番。胸を出す「あんま」、玉鷲との「三番稽古」、同時に相手する「1対2」とさまざまな方式で計34番取り続け、そのまま休みなく対人スクワット、熊ケ谷親方(元幕内・玉飛鳥)の胸を借りてぶつかり稽古と続けた。少人数ながら工夫されたハードなメニューに「押す力があまりないので疲れました」と苦笑い。この稽古方法は約半年前から行っており、その成果が新十両昇進という形になって表れた。
2月上旬の身体測定で120キロだった体重は、1カ月で8キロも増えた。「もっと上(の番付)へ行くにはやっぱり体重が必要なので。力もつくし、圧力負けしないように」。食事とプロテインの量を増やし、十両で戦える体づくりに励んで夢舞台への準備を進めてきた。
入門から11年半、ようやくつかんだ関取の座。明るい青色の締め込みを準備しており「楽しみです」と胸を高鳴らせた。春場所の十両は、朝乃山(29=高砂部屋)や栃ノ心(35=春日野部屋)の元大関2人を含む4人もの幕内優勝経験者がひしめく。ハイレベルな戦いの中でも「全員倒したいです」と明るく意気込んだ。「右前ミツを取れば負けないですよ。一発勝負は何があるか分からないですから」。実際に昨年九州場所で朝乃山を破った経験もあり、再び“大物食い”を見据えた。
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