ラグビー日本代表・リーチ イングランドにも“オラオラ”でいく! W杯1次L同組の強豪も「同じ人間」

2023年06月06日 05:00

ラグビー

ラグビー日本代表・リーチ イングランドにも“オラオラ”でいく! W杯1次L同組の強豪も「同じ人間」
模造刀とボールを持つリーチ(撮影・篠原 岳夫)
 今月8日でラグビーW杯フランス大会開幕まで3カ月となる。週明けの12日からは日本代表合宿もスタートする。前回の19年日本大会では主将として初の8強入りに導いたフランカーのリーチ・マイケル(34=BL東京)は、この4年間、引退を考えたほど苦しんだ。手術や不調を乗り越えた裏にあったものとは。スポニチに寄せた独占手記で明かした。
 いよいよW杯開幕が迫ってきましたね。12日からは合宿が始まる。スタートダッシュが大切です。個人として、チームとして、スタンダードをもう一段階上に持っていくことが大事。リーダーを中心に自分たちでチームを動かしていく感覚をつかむこともポイントだと思っています。

 もちろん、浦安合宿は争いの場です。キャプテンだった前回までと違い、昨夏からはまず自分のレベルアップにフォーカスしてきました。経験だけで代表の場にいるのは良くない。若手も台頭しているので、自分の立ち位置を勝ち取って出場する、という覚悟があります。

 19年のW杯の後には両股関節や両足首など、計6カ所を手術しました。コンディションを戻すのが大変で、きつかった。くしゃみをするだけで患部が痛み、体も思うように動かすことができず、メンタル的にもだいぶ苦しかった。

 復帰後の21年秋のテストマッチでは精彩を欠き、スコットランド遠征から帰国したタイミングで、ジェイミー(ジョセフHC)からメールで厳しいフィードバックをもらったんです。「遅い、影響力がない、インパクトもない、試合にいるかいないか分からない。何やってるんだ」って。当然です。代表引退だけでなく、現役引退すら考えていたほど不調だったんですから。

 ただ、そのままずるずる終わるのは嫌だった。もう一度、復活したいという思いから、ジェイミーには「頑張ります」とだけ返信したのを覚えてます。

 (前日本代表HCの)エディー(ジョーンズ)さんからも激励されました。「股関節の手術は完全復活まで2年はかかる。耐えろ!これからパワーが生まれる」という内容でした。その言葉通り、徐々に調子が戻ってきました。リーグワンでは今季レギュラーシーズン全16試合に出場できた手応えもあります。体重112キロをキープすることで運動量、ボールキャリーの回数も増えました。

 大会では1次リーグでイングランド、アルゼンチンといった強豪国と戦います。相手も同じ人間。敬意を払いつつ、オーバーリスペクトはしない。チームにもそう、伝えてきました。今回はむしろ、強気で“オラオラ”でいきたい。同じレベルで戦えるという自信があるから。

 W杯は日本ラグビーのショーケースでもあります。日本にいる子供や、学生たちの憧れのチームでないといけない。ブレイバー(BL東京のファンの愛称)、日本ラグビーファンはもちろん、応援してくれる方々のためにも、必ず、前回大会よりいい結果を残して帰ってきます。今回は優勝を狙っていきたいと思います。(日本代表フランカー)

 ≪リーチのW杯VTR≫
 11年ニュージーランド大会
 母国開催の大会で初の代表入りを果たし全4試合に先発。3試合目のトンガ戦ではトライや好タックルを見せ、チームは敗れたがマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

 15年イングランド大会
 主将として臨み全4試合に先発。初戦の南アフリカ戦では3点を追い掛ける終盤にショット(PG)の指示を無視してスクラムを選択。逆転トライにつなげ、世紀の番狂わせを起こした。

 19年日本大会
 大会前のケガの影響で、2戦目のアイルランド戦は先発落ちも途中出場で金星に貢献。史上初の8強入りをけん引。通算13試合出場は日本代表としてトンプソン・ルークに次ぐ2位。

 ◇リーチ・マイケル 1988年10月7日生まれ、ニュージーランド・クライストチャーチ出身の34歳。15歳で来日し、札幌山の手高―東海大を経て11年から東芝(現BL東京)所属。13年に日本国籍を取得。W杯は11年から3大会連続出場で代表通算78キャップ。コーヒー好きで、リーグワン試合会場ではコラボキッチンカーを出店した。ポジションはフランカーとNo・8。日本協会の公式発表サイズは1メートル89、113キロ。

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