サーフィン松田詩野、パリ切符1号「本当に幸せ」 東京五輪出場権失った海でリベンジ

2023年06月07日 04:30

サーフィン

サーフィン松田詩野、パリ切符1号「本当に幸せ」 東京五輪出場権失った海でリベンジ
条件付きでパリ五輪出場権を獲得し、記念プレートを手に笑顔の松田詩野(C)ISA / Jersson Barboza Photo By 提供写真
 【サーフィンワールドゲームズ第6日 ( 2023年6月5日    エルサルバドル・ラボカナなど )】 24年パリ五輪の予選を兼ねて行われ、女子で松田詩野(20)のアジア1位が確定し、条件付きで五輪出場権を獲得した。条件は来年2月開幕予定のワールドゲームズ(WG)出場で、日本連盟は松田を出場させる方針を明確にしている。2年前のWGでは東京五輪の条件付き出場権を失った屈辱の海で、今度は事実上、全競技を通じての日本勢パリ五輪内定第1号となった。
 人生最大の失意を味わった海で、見事に雪辱した。4回戦3位で敗者復活6回戦に回った松田だが、同5回戦までに東京五輪銅メダルの都筑有夢路ら日本勢を含む他のアジア勢が敗退。出発前の「リベンジじゃないけど、そういう思いでいるし、新しいスタート」との決意表明を体現し、五輪切符を贈られると、笑みがあふれた。

 初出場した19年WGでアジア1位となり、条件付きで東京五輪代表に内定。しかし21年WGで都筑と前田マヒナが上位に入り、1カ国最大2人の出場枠からはじかれる形で代表入りを逃した。五輪開催期間中は中米のニカラグアへサーフトリップ。傷ついた心を癒やし、サーフィン本来の楽しみ方を取り戻した。

 昨年4月には右肩を手術。9月の復帰後も低迷が続くなど、この2年間も順風満帆ではなかった。それでも地道に筋力トレーニングや食事改善に励み、1月にはフィリピンの国際大会で復活優勝。「超」をスローガンに掲げた五輪前年のWGで、過去の自分も屈辱の記憶も超えてみせた。

 「出場権を獲得できて本当に幸せ。良い波に乗れるように準備したい」と大会公式サイトにコメントした松田。パリ五輪の舞台は世界屈指の危険な波で知られるフランス領タヒチのチョープー。記念すべきこの日を超える喜びを、夢に見た舞台でも味わってみせる。

 ▽サーフィンのパリ五輪出場選手の選考方法 男女ともに出場枠は各24人。1カ国あたり男女各2人が上限だが、22年と24年のWG団体優勝国には追加で1枠与えられる。日本男子は22年WGで団体優勝したため、最大3人が出場できる。出場選手は以下の優先順位で決まる。(1)23年のチャンピオンシップツアーの上位選手(男子10人、女子8人)(2)23年WGの大陸別(アフリカ、アジア、欧州、オセアニア)男女各1位(3)23年パンアメリカンゲームズの男女各1位(4)24年WGの男子上位5人、女子上位7人など。

 ◇松田 詩野(まつだ・しの)2002年(平14)8月13日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の20歳。6歳でサーフィンを始め、14歳でプロ転向。18年の世界ジュニア選手権U―16の部で準優勝、19年ジャパンオープンで初代女王に輝くなど活躍。同年WGでアジア1位となり東京五輪代表に条件付き内定も、21年WGの結果により出場権を逃した。1メートル58。スタンスはグーフィー。

おすすめテーマ

2023年06月07日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム