五十嵐カノアは4位 連覇逃すも3大会連続決勝の偉業 パリ五輪出場権も獲得 サーフィンワールドゲームズ

2023年06月08日 03:30

サーフィン

五十嵐カノアは4位 連覇逃すも3大会連続決勝の偉業 パリ五輪出場権も獲得 サーフィンワールドゲームズ
五十嵐カノア Photo By スポニチ
 【サーフィンワールドゲームズ最終日 ( 2023年6月7日    エルサルバドル・ラボカナ )】 24年パリ五輪予選を兼ねて行われ、東京五輪銀メダルの五十嵐カノア(25=木下グループ)は4位だった。男子として大会史上初の連覇は逃したが、3大会連続で決勝進出の快挙。今大会のアジア1位で、来年2月開幕予定の次回ワールドゲームズ(WG)出場を条件にパリ五輪出場権を獲得した。
 「今回もまた五輪の枠をゲットできてうれしい。これからも金メダルに近づくために1日1日頑張るので、応援よろしくお願いします」

 この日の最初に行われた敗者復活11回戦で、アジア勢として他に唯一勝ち残っていた稲葉玲王(26)が4位で敗退。その時点でパリ五輪出場権を獲得した五十嵐は、大会公式サイトのインタビューに笑顔でそう語ると、迎えた準決勝は9・00点、8・80点とエクセレントスコアを並べて1位通過。迎えた決勝は優勝したメキシコ選手らに及ばなかったが、8・00点のエクセレントスコアをマークするなど、世界のトップサーファーとしての実力は証明した。

 日本人の両親を持ち、米カリフォルニア州ハンティントンビーチで生まれ育った五十嵐は、3歳でサーフィンを始めて幼少期から各種大会で活躍。18年に国籍登録を日本に変更すると、1年延期となった東京五輪では銀メダルを獲得。昨年は日本人として唯一参戦するプロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)で自己最高となる年間5位に入ると、地元ハンティントンビーチで開催されたWGではアジア人として初優勝。今大会でもアジア勢最高位となった。

 五十嵐が9月まで行われるCTのランキングでパリ五輪出場権を獲得すると、今大会で獲得したアジア1位による出場枠は同2位の稲葉に繰り下がって適用される。さらに日本男子は前年大会の国別優勝で追加の出場枠を獲得しており、五十嵐、稲葉を含む最大3人の五輪出場が可能となる。

 パリ五輪の舞台はフランス本土から約1万5700キロも離れたフランス領ポリネシアのタヒチ島チョープー。世界で最も危険なサーフスポットで知られるが、五十嵐は12歳ごろから毎年のように訪れ、巨大な波と闘ってきた。昨年8月に行われた同地でのCT第10戦では8強止まりだったものの、序盤戦で9・70点という満点に限りなく近いスコアを叩き出し、相性の良さを証明した。

 パリ五輪の出場権獲得は、五十嵐にとってはあくまで通過点。2年前はわずかな差でかなえられなかった悲願の五輪金メダルへ、日本のエースが再びチャレンジする。

 ▽サーフィンのパリ五輪出場選手選考方法
 男女ともに出場枠は24人。1カ国あたり男女各2人が上限だが、22年と24年のWG団体優勝国には追加で1枠与えられる。日本男子は22年WGで団体優勝したため、最大3人が出場できる。

 出場選手の決定方法は以下優先順位で決まる。
 (1)23年のチャンピオンシップツアーの上位選手(男子10人、女子8人)
 (2)23年WGの大陸別(アフリカ、アジア、欧州、オセアニア)男女各1位
 (3)23年パンアメリカンゲームズの男女各1位
 (4)24年WGの男子上位5人、女子上位7人
 (5)24年WGの男女各団体優勝国に1人
 (6)22年WGの男女各団体優勝国に1人
 (7)開催国枠男女各1人
 (8)ユニバーサリティ枠男女各1人

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