プロテインはいる?いらない?専門家の意見をまとめてみた
2023年06月17日 12:00
筋トレをする人が飲むドリンクというイメージだったプロテインですが、最近はタンパク質補給のため、一般層にも広く認知されるようになりました。
そんなプロテインですが、中には「必要ない」という意見もちらほら。タンパク質は食事だけで補えるのか、MELOSで監修してくれた専門家たちの意見をまとめてみます。
「食事だけで補うのは結構難しい」
プロテインを飲むメリットってなに? 食事でタンパク質をとればよいのでは? そんな疑問に、anomaブランドマネージャーの奥田響さんが答えてくれました。
「タンパク質を食事で摂っていただくのはもちろん問題ないのですが、1日に必要なタンパク質量を食事だけで補うというのは、なかなか難しいと考えています。食事だけで補うとしたとき、たとえば女性の場合でも卵なら 8個以上食べる必要があります。朝食を簡潔に済ませるタイプの人だと、お昼と夜だけでタンパク質をガッツリと補う必要がありますが、結構難しいですよね。さまざまな生活スタイルのなかで、タンパク質を手軽に補う方法のひとつとして、プロテインがあると考えています」(奥田さん)
食べ物からタンパク質を摂取するとき、もれなく糖質や脂質もセットでついてきます。どちらも大事な栄養素ですが、できれば余分な糖と脂肪は削りたい。そんなときの選択肢のひとつとして、プロテインを活用すると便利です。
⇒食事だけで補うのは大変だから、プロテインドリンクがお手軽
「食事だけで補う場合、カロリーオーバーが気になる」
業界最大手のパーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」のトレーナーに伺ったところ、以下の回答が。
「筋肉量を増やしたいとき、1日のたんぱく質は体重×1~2gを目安に摂取することをおすすめしていますが、食事だけで摂るのは意外と大変です。たとえば×2gの場合、体重60kgだと120gのたんぱく質が必要になります。しかし、お肉を100g食べても摂取できるたんぱく質量は15g程度。さらに、お肉やお魚には脂質も含まれているため、食事だけで十分なたんぱく質を摂取すると、カロリーオーバーになりがちです」(管野さん)
また、ドリンクタイプは食べ物より消化する手間が少なく、吸収速度が速いというメリットも。
⇒カロリーオーバーになりがちなので、プロテインドリンクがおすすめ!
「食事からたんぱく質が摂れているのであれば不要」
マストではないという意見もあります。パーソナルトレーニングジム「Pearl Fitness(パールフィットネス)」の代表トレーナー・及川裕輔さんは、必ず活用しなければならないかというとそうでもないと語ります。
「食事からたんぱく質が摂れているのであれば不要です。時間がないときや、夜が遅く寝る直前の食事になる場合は、活用するとよいでしょう」(及川さん)
⇒時短やタイミング次第で活用すると良い
読者アンケートの結果、約8割がプロテインを飲んでいる
MELOSで行ったアンケートによると、回答者約100名のうち、全体の約8割にあたる「79名」がプロテインを飲んでいるという結果に。
内訳は男性が73名、女性が23名
「プロテインを飲んでいる」その理由は?
プロテインを飲んでいる理由としてとくに目立ったのは、「(食事だけでは補えない)たんぱく質の摂取」や「運動後のたんぱく質摂取」が多い結果になりました。
以下いただいたコメントです。
トレーニングの効果を高めるため。 また、筋肉痛の回復を早めるため(30代男性)
体型維持のため、スポーツ後に飲んでいる(30代女性)
筋肉をつけるためのたんぱく質摂取方法として、いちばん手っ取り早いから(40代男性)
高強度トレーニング直後には、素早いたんぱく質吸収のためホエイプロテイン。低強度トレーニングや疲労が溜まっているときには、リカバリー時間が長くなるようにソイプロテインを飲む(40代男性)
朝食代わり。運動後や寝る前のたんぱく質摂取に(40代女性)
筋トレ後に筋肥大に期待して(50代男性)
たんぱく質摂取のため。 食品のみで補うと、脂質もとりすぎる傾向にあるから(50代女性)
「プロテインは飲まない」その理由は?
逆に、プロテインは飲まない派の理由を聞いてみると、「自然の食品から摂取したい」という声が目立ちました。
筋肉がついて太くなりそうだから(10代女性)
お金がかかるから(20代男性)
前まで飲んでいたが、なるべく食べ物からプロテインを摂取してみようと思い、今はやめている(20代女性)
効果がわからないから(30代男性)
以前は毎晩飲んでいたが、途中で体調不良になりやめた。消化器不良みたいな感じ。その代わりたんぱく質を多く含む食事を心がけている(40代男性)
サプリメント的なものなのかなと……。本を読むと“きちんと食事から”と書いてあるので。ただ、ボディビルダーの筋肉を見ると効き目はありそう(40代女性)
自然のたんぱく質を摂取したいと思い、卵を食べている(50代女性)
「プロテインを飲むとお腹を壊す人」は植物性プロテイン
コメントの中にあったいくつかの悩みは、もしかすると解決策があるかもしれません。
プロテインを飲むとお腹を壊す、ゴロゴロする、下痢になりやすい人は、乳糖不耐症の可能性があります。
乳糖不耐症とは
乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖を消化する「ラクターゼ」という酵素の分泌量が少ない・または持っていないために、飲むとおなかがゴロゴロする、張る、下痢をするなどの症状が現れる状態のことを指します。日本において82%の人が乳糖不耐症を持っているという調査結果も。
このような場合は、ソイプロテイン(大豆由来)・ピープロテイン(エンドウ豆由来)といった植物性プロテインや、WPI・WPH製法で作られたプロテインがおすすめです。
WPI、WPH製法のプロテインは、一般に流通している乳由来のホエイプロテインをさらに加工・精製することにより、乳糖の大半が取り除かれて作られています。主流であるWPC製法のプロテインよりもタンパク質含有量が多く、カラダへの吸収率が高いとも言われています。
ただし、一度に大量に摂ると腸内の浸透圧が高くなりお腹を壊す方もいらっしゃるので、摂取量には注意しましょう。
プロテインを飲んでもムキムキにはならない
プロテインブームにより知名度が高まったとはいえ、プロテイン=マッチョな人たちが飲むものというイメージが強い人もまだまだいるのでは。
しかしプロテインを飲んだだけでは筋肉はつかないので安心してください。運動による筋肉の破壊&休息と栄養補給による回復を繰り返すことで、ようやく筋肥大が実現するのです。筋肉は1日にしてならず。
<Text:編集部>
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