19歳藤波朱理 吉田沙保里超え公式戦121連勝!東京五輪金メダルの志土地を圧倒フォール勝ち

2023年06月17日 05:27

レスリング

19歳藤波朱理 吉田沙保里超え公式戦121連勝!東京五輪金メダルの志土地を圧倒フォール勝ち
女子53キロ級準々決勝で志土地を攻める藤波(撮影・河野光希) Photo By スポニチ
 【レスリング明治杯全日本選抜選手権第2日・女子53キロ級 ( 2023年6月16日    東京体育館 )】 9月の世界選手権(ベオグラード)代表選考会を兼ねて行われ、女子53キロ級で21年世界選手権優勝の藤波朱理(19=日体大)が公式戦連勝記録を121に伸ばし、119連勝で並んでいた五輪3連覇の吉田沙保里超えを果たした。初戦となる準々決勝では、初対戦だった東京五輪金メダルの志土地真優(25=ジェイテクト)にフォール勝ち。新旧女王の交代劇を印象づけると、準決勝も勝って、17日の決勝に進出。24年パリ五輪へ大きく前進した。
 連勝記録に関する質問には全く興味を示さなかった藤波だが、志土地との対戦が初戦で実現したことを問われると、ニヤッと笑って明かした。「実は夢で何度も見ていたので、そんなような気がしていた」。レスリング界にセンセーションを巻き起こしている19歳は、予知夢も見られる異能も持っていた。

 注目の初対決に向け「特に対策はしていない。毎日、少しでもレベルアップできるように取り組んできた」という。武器の片足タックルで先制し、第1ピリオドは3―2。第2ピリオドは一方的に攻め続け、最後はフォールを奪い完勝。「グラウンド(寝技)は課題にしていた。そこを出せて良かった」と手応えを口にした。

 昨年12月の全日本選手権を制している藤波は、今大会も制すれば世界選手権代表に決まる。パリの灯を徐々に視界に捉えてきたが、「明日(の決勝)が残っている。勝ちきってから、そういうことを言いたい」と気の緩みは一切見せなかった。

 伸び続ける連勝記録には、まだ五輪は含まれていない。だからこそ、記録に関して「特に何もない」と素っ気なく答えてきた。ただただ自分のレスリングを貫き、五輪の頂点へ。その足跡が、霊長類最強女子をも上回る連勝街道というわだちになっていく。

 ◇藤波 朱理(ふじなみ・あかり)2003年(平15)11月11日生まれ、三重県四日市市出身の19歳。父・俊一氏(現日体大コーチ)の影響で4歳から競技を開始。三重・いなべ総合学園高―日体大。中2の全国大会決勝で敗れてから白星を重ね、現在121連勝。21年世界選手権は初出場初優勝。1メートル64。家族は両親と17年世界選手権男子フリースタイル70キロ級銅メダルの兄・勇飛。目標はパリ五輪金メダルと、自身のYouTubeチャンネルの登録者数を増やすこと。

 ≪志土地は自力での五輪切符消滅≫自力でのパリ五輪出場の可能性を断たれた志土地は、「思い切っていけたが、相手はそれ以上に強かった」と話し、大粒の涙を流した。渾身(こんしん)のがぶり返しで2点は奪ったものの完敗。東京五輪後に翔大コーチと結婚。一時はモチベーション低下に苦しんだが、「藤波選手とやりたかった」と同郷の後輩の存在が闘志に火を付けた。五輪2連覇は風前のともしびとなったが、「この気持ちのまま終わるのは悔しい」と現役続行を示唆した。

 ▽パリ五輪への道 昨年12月の全日本選手権優勝者が今大会も制した場合、9月の世界選手権代表に内定。全日本と今大会の優勝者が異なる場合、7月1日にプレーオフを戦い、勝者が代表。世界選手権3位以上でパリ五輪代表に内定する。5位の場合は今年12月の全日本優勝で五輪代表。5位の選手と全日本優勝者が異なる場合はプレーオフ。世界選手権6位以下の場合、全日本勝者がアジアや世界最終予選で権利を獲得すれば五輪代表となる。

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