金城梨紗子 パリ五輪絶望的でも競技を続ける理由 出産アスリートの前例に

2023年06月17日 15:53

レスリング

金城梨紗子 パリ五輪絶望的でも競技を続ける理由 出産アスリートの前例に
<レスリング明治杯全日本選抜選手権第3日>試合後、取材に応じる金城梨紗子(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 【レスリング明治杯全日本選抜選手権第3日 ( 2023年6月17日    東京体育館 )】 9月の世界選手権(ベオグラード)代表選考会を兼ねて行われ、女子57キロ級で東京五輪金メダルの金城(旧姓川井)梨紗子(サントリー)が準決勝で前年世界女王の桜井つぐみ(育英大)に1―11のテクニカルフォールで敗れ、自力での24年パリ五輪出場の可能性が消滅した。東京五輪62キロ級金メダルの妹・川井友香子(サントリー)も階級転向して出場した68キロ級で2位にとどまっており、姉妹ともにパリ五輪が大きく遠のいた。
 準決勝を終えた金城の表情に、涙や暗さは一切なかった。昨年5月に長女を出産してから、まだ1年と1カ月。子育てと並行しながらトレーニングを積み、現状の力の全てを出し切っての敗戦に、「我ながらタフだなと思う。(東京五輪後は)妊娠、出産、育児と密度の濃い2年間を過ごし、戻ってこられた」と充実感を口にした。

 パリ五輪出場は極めて厳しくなったが、「レスリングを好きな気持ちは変わらない」と強調する。結婚、出産を経てレスリングを続ける先駆者として、後輩選手から相談を受けることも多いといい、「前例として私がいろんなやり方を試すことによって、選択肢が増える。自分の競技人生のためだけじゃなくて、レスリング界のためであったり、女性アスリートのためにできたらいいかなと思う」と話し、新たなモデルケースを築くためにも、しばらく競技を続ける意向を示した。

 57キロ級での世界選手権出場の可能性はなくなったが、非五輪階級の59キロ級で昨年12月の全日本選手権を制覇。7月1日のプレーオフ(東京・味の素ナショナルトレーニングセンター)に勝てば、同級での代表権を獲得できる。プレーオフ出場については「ちょっと考えたいと思う」と保留したが、1人の母として、先駆者として、まだまだマットの上に立ち続ける。

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