45歳の武藤俊憲　65で2位発進「いい時の武藤のゴルフができた」　長嶋茂雄招待セガサミー・カップ

2023年06月29日 18:08

ゴルフ

【男子ゴルフツアー　長嶋茂雄招待セガサミー・カップ第1日（ 2023年6月29日北海道　ザ・ノースカントリーGC＝7178ヤード、パー72 ）】ツアー7勝の武藤俊憲（45＝フリー）が1イーグル、7バーディー、2ボギーの7アンダー、65で回り首位と1打差の2位と好発進した。

　スコアを提出した武藤俊は「久しぶりに僕らしいゴルフができた。バーディーはほとんど1ピン（2・5メートル）以内。いい時の武藤のゴルフができた」と目尻を下げた。

　インから出て10番と12番でボギーを叩いたが、13番、15番、16番とバーディーを重ねて盛り返した。後半も1番でバーディー。3番パー5では残り264ヤードから3Uで3メートルにつけてイーグルを奪った。その後も5番、7番で伸ばし、9番は第2打を池に入れながらアプローチを寄せてパーセーブ。「良い流れで1日が終わったと思う」とうなずいた。

　稀代のショットメーカーも4年近く優勝から遠ざかる。19年パナソニック・オープンでツアー7勝目を挙げたが、20～21年は賞金ランク109位。14年間守ってきた賞金シードを失った。

　複数年シードで戦った昨季もトップ10入りは1度もなく賞金ランク77位。17年ぶりに予選会（QT）に挑戦し2位に入り今季の出場権を確保した。

　今季も9試合で予選落ち5回と苦しんできた。しかし、先週のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品で1学年下の谷原秀人が優勝。大いに刺激を受けた。

　そして前日のプロアマ戦では、プロ野球広島の主力として活躍し、監督も務めた山本浩二氏、野村謙二郎氏とラウンド。球界のレジェンド2人から聞いた様々な体験談が心に響いた。

　「野村さんには、打てない時や監督に使ってもらえない時にどうモチベーションをつくるのかという話を聞いた。山本さんには勝負所（のメンタル）の話を聞いた。僕の中で財産になる」。スーパースターでも苦しんでいることを知り、気持ちが軽くなった。

　男子ツアーは金谷、中島、蝉川ら若手が台頭している。武藤俊は「勝とうとか負けようとか思っていない。若いから負けちゃうけど、先週の谷原のように勝てる時もあるから」と笑みを浮かべた。残り3日間も、肩の力を抜いて「武藤のゴルフ」に徹するつもりだ。
　