あるぞアーティスティックスイミング金 新ルールが日本に追い風 14日開幕世界水泳

2023年07月03日 05:10

水泳

あるぞアーティスティックスイミング金 新ルールが日本に追い風 14日開幕世界水泳
アーティスティックスイミング・佐藤陽太郎(撮影・田中 和也) Photo By スポニチ
 水泳の世界選手権(14日開幕、福岡)に出場するアーティスティックスイミング(AS)日本代表が2日、都内での練習を公開した。今季から大幅に採点方式が変わり、先月14日に最終的なルールが通達されたばかり。チームはテクニカル、フリー、アクロバティックの各種目でメダルを争う。新方式で重要な難度を上げるため、大幅な振り付け変更を余儀なくされる中、中島貴子監督(36)は優勝も視野に入れている。
 世界水泳連盟はASを順位の予想できないスリリングな競技にするべく、今季から大胆な採点方式の変更を断行した。事前に演技内容を記入したカードを提出。フィギュアスケートのように技ごとに採点され、予定の演技をできなければ大幅減点されるシステムとなった。中島監督は「これまでのASではあり得ないことが起こる。優勝できる可能性もあるし、逆に下の方にいくリスクもある」と言葉に力を込めた。

 新方式では芸術性を高めるより、難しい技を多く入れた方が高得点を狙える傾向が強い。勝負の鍵を握るのが演技の難度だ。限られた時間内に高難度の技を詰め込み、いかにミスなく遂行するかがポイントとなる。日本は6月に開催された欧州選手権の映像を見て出場国の難度を割り出し、世界一の難度となる構成に変更。同14日に通達された新ルールに沿って、ボーナスが加点される隊列変更の回数も増やした。

 採点方式が不明瞭で、大会前の序列が結果に大きく反映された昨季までとは違う。中島監督は「ルール改定に追われる日々だが、チームとして世界一のDD(難度)を持っているはず。いかに正確にこなせるか」と強調。主将の吉田萌(28=ザ・クラブピア88)は「振り付けがコロコロ変わる。まだ体になじんでいないが、やるしかない」と覚悟を口にした。事前に提出する演技内容は試合の24時間前まで変更可能。ライバル国との駆け引きも含め、本番直前まで金メダルへの道を模索する。

 ▽ASと日本のメダル 日本代表の団体は世界選手権で第1回の73年ベオグラード大会から07年メルボルン大会まで12大会連続でメダルを獲得。その後も表彰台には上がってきたが、五輪も含めて金メダルは手にしたことがない。19年光州大会は4位。ロシアが不参加だった22年ブダペスト大会はフリールーティンで銅、ウクライナが欠場したテクニカルルーティンで銀だった。近年はロシア、中国、ウクライナに次ぐ4番手の格付けを覆せずにいたが、ルール変更で構図が崩れる可能性が高い。

 《佐藤陽太郎に世界が注目》
 男子ソロ、混合デュエット、チームアクロバティックに出場する佐藤陽太郎(18=ジョイフルアスレティックク)が世界から注目を集めている。この日の練習後にはARD(ドイツ公共放送連盟)からインタビューを受けた。他の選手と同様、新採点方式に振り回される日々だが「十分に泳ぎ込めていないが、最後の最後まで粘りたい」と視線を上げた。世界選手権は、今季から認められた男子選手のチーム種目参加(2人まで)が実現後の初の世界大会。スペインなど複数の国がチームに男子を起用する見通しとなっている。

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