19歳・桜井心那 プレーオフ制して初優勝 「ダイヤモンド世代」からまた一人!

2023年07月03日 05:30

ゴルフ

19歳・桜井心那 プレーオフ制して初優勝 「ダイヤモンド世代」からまた一人!
<資生堂レディース・最終日>プレーオフでウイニングパットを決めガッツポーズの桜井(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【女子ゴルフツアー 資生堂レディース最終日 ( 2023年7月2日    神奈川県 戸塚CC西C 6605ヤード、パー72 )】 5位から出たプロ2年目の桜井心那(ここな、19=ニトリ)が18ホールを68で回り、通算10アンダーで並んだ桑木志帆(20=岡山御津CC)とのプレーオフ(PO)2ホール目でバーディーを奪い、初優勝を飾った。昨季ステップアップツアーで史上最多となる5勝を挙げたホープ。2003年度生まれの「ダイヤモンド世代」からまた一人、ニューヒロインが誕生した。
 全身をアドレナリンが駆け巡っていた。最終18番でのPO2ホール目。桜井のティーショットは桑木を26ヤードも置き去りにした。「なんか、めっちゃ飛んでましたね」。一気に優位に立つと最後は下りの3・5メートルを沈め、初優勝を決めた。「最後は心臓の音が聞こえるくらいバクバクしました。声援も表彰式も取材の規模も大きくて、いちいち感動しています」。ガッツポーズも自然と出た。

 1Wの平均252・875ヤードは全体2位。だが桜井の「飛び」は数字だけでは測れない。先週、キャディーも務めた兄・豪さん(20)は「アドレナリンが出るとキャリーで260ヤードを超すんです」と明かす。フォローでインサイドの低い方向に振り抜くことが飛びの秘訣(ひけつ)という。桜井も「飛距離で困ったことはない」と胸を張った。

 昨季ステップアップツアーで史上最多5勝を挙げ、パーオン率や平均ストロークなど13部門で1位に輝いた。だが、レギュラーツアーは甘くなかった。浮き彫りになった課題は100ヤード以内の精度。今週は小学4年時から指導を受ける園田謙介コーチが長崎から駆けつけ、弱点克服を徹底した。この日は上がり2ホール連続バーディーで追いつき、勝負を決したPOの2打目は残り80ヤードをピタリ。効果はてきめんだった。

 川崎、尾関らと同じ03年度生まれのダイヤモンド世代。優勝は先を越されてきたが「焦りはほんのちょっとだけ」と笑う。名の「心那」に込められた意味と同様、穏やかな性格。その一方で、両親によれば「有言実行の人」の一面を持つ。過去には全国高校選手権優勝も、プロテスト一発合格も、そして10代でのツアー優勝も、あえて口にしてから実現した。

 近い将来、米挑戦を夢見る。昨夏、インドネシアで国際試合に出場。母国を出て戦う渋野やリディア・コらの姿は「キラキラしていた」と目を輝かせる。オフにはそのインドネシアで9日間、単身合宿も張った。「米国で活躍できる選手になりたい。1~2年後には挑戦してるかもしれない」。有言実行の人は。また新たな夢を口にした。

 《桜井心那アラカルト》
 ☆生まれ 2004年(平16)2月13日生まれ、長崎市出身の19歳。ゴルフは6歳で始める。家族は両親と兄2人。

 ☆サイズ 1メートル66、62キロ。桜井によれば「測ってないので正式には分からないけど周囲から大きくなっていると。体重は3キロ増えました」。

 ☆実績 21年には九州女子ジュニア選手権、九州女子選手権に加え、全国高校選手権を制覇。今年1月には台湾ツアーの日立レディースクラシックも優勝。

 ☆憧れ 昨年8月、シモーネ・アジア・パシフィック杯(インドネシア)でキム・ヒョージュ(韓国)と渋野日向子に対面して感激。キムの「スイングもフレンドリーなところも顔も好き」。渋野は「気さくで人柄も良くて憧れです」。

 ☆当面の目標 9月に地元長崎で日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で優勝すること。TOTOジャパンクラシック、ツアー選手権リコー杯への出場。

 ☆お笑い好き お気に入りの芸人はトム・ブラウン。最近では霜降り明星の「しもふりチューブ」観賞が気分転換。今週も「お風呂で見てました」。

おすすめテーマ

2023年07月03日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム