江村美咲 フェンシング女子サーブル個人、日本勢初大会連覇「逃げずに戦った」

2023年07月29日 04:50

フェンシング

江村美咲 フェンシング女子サーブル個人、日本勢初大会連覇「逃げずに戦った」
女子サーブル個人で2連覇を果たして笑顔の江村(AP) Photo By AP
 【フェンシング世界選手権第6日 ( 2023年7月27日    イタリア・ミラノ )】 女子サーブル個人で、世界ランキング1位の江村美咲(24=立飛ホールディングス)が金メダルに輝き、男女を通じて日本勢初の大会2連覇を果たした。準決勝でテオドラ・グクンドゥラ(ギリシャ)に15―14で逆転勝ちし、決勝でデスピナ・ヨルヤドゥ(ギリシャ)に序盤から主導権を握って15―11で快勝した。男子フルーレ個人の松山恭助(26=JTB)は銅メダルを獲得し、自身初の表彰台に上がった。
 初の金メダルで涙した前回大会から1年。2連覇を達成した江村の表情は晴れやかだった。成長を示しての頂点に「自分から逃げずに戦った。やり切った」。決勝で勝利を収めると、しゃがみ込んで喜びをあらわにした。

 新スタイルが光った。何でも器用にこなせる万能型で、相手の動きを見て対応することが多かった。ただ、この日は違う。「リスクを取ってでも、仕掛ける」と心に決め、ヨルヤドゥとの決勝でも果敢に攻めた。序盤に5連続ポイントを挙げるなど主導権を握り「昨年とは違ったフェンシングで進化している」とうなずいた。

 この1年は決して順風満帆ではなかった。故障に悩まされ、練習を積めない日々が続いた。そんな時に自らを客観的に見つめ「プレーの質にこだわり過ぎて、勝ちへの貪欲さが足りなかった」と気付いた。今回は「勝ちにこだわる」と、がむしゃらに挑み「金」を手繰り寄せた。

 1年後に迫ったパリ五輪へ向け、日本勢初の快挙で弾みをつけた。日本のエースは「自信になる半面、より重圧がかかってくる」と気を引き締めた。

 ◇江村 美咲(えむら・みさき)1998年(平10)11月20日生まれ、大分市出身の24歳。08年北京五輪で日本代表監督を務めた父・宏二氏の影響で小3からフルーレを始め、小学卒業後にサーブルに転向。中大卒業後の21年3月にフェンシング競技で初のプロ選手に。同年東京五輪は女子サーブル個人13位、同団体は過去最高の5位。22年5月にW杯、同年7月に世界選手権を制し、ともに女子サーブル個人で日本勢初の金メダル。今年のミス日本コンテストでは特別賞を受賞。1メートル70、右利き。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年07月29日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム