熱海富士 小結・翔猿を豪快に投げ捨てて10勝目 平幕11日目で2差は“アレ”率100%

2023年09月21日 05:00

相撲

熱海富士 小結・翔猿を豪快に投げ捨てて10勝目 平幕11日目で2差は“アレ”率100%
<大相撲秋場所11日目>上手投げで翔猿を破る熱海富士(左)(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【大相撲秋場所11日目 ( 2023年9月20日    東京・両国国技館 )】 1敗で単独首位の平幕・熱海富士が三役初挑戦で小結・翔猿を上手投げで破って10勝目を挙げた。2敗の高安は大栄翔に敗れて3敗に後退。11日目を終えて平幕力士が2差をつけて単独首位に立つのは、01年秋場所の琴光喜以来22年ぶりのこととなった。大関・貴景勝は8勝目を挙げ、カド番脱出を決めた。
 快進撃を続ける21歳の勢いが止まらない。熱海富士は、動きの速い翔猿を得意の右四つに組み止めると左から豪快に投げ捨てた。初挑戦で堂々の三役撃破。「こんなに人が少ない支度部屋は初めてで不思議。いつもテレビで見ている人たちと相撲を取れるのが凄い」と初々しく表現。幕内後半の独特の雰囲気にものまれることはなかった。

 2桁勝利に「へ~、よかったな」と満面の笑み。初優勝もかなり現実味を帯びてきた。周囲は緊張しないよう、プロ野球阪神に倣って優勝を「アレ」と表現しているそうだが、当の本人は「みんなが“アレ”って言うけれど、何だろうと思っていた」と知らなかった様子。11日目を終えての2差単独首位は平成以降で32例あり、90%超にあたる29例はそのまま優勝を果たしている。平幕に限れば琴富士、貴闘力、琴光喜といずれも優勝しており、吉兆データも後押しする。

 新入幕で4勝止まりだった昨年九州場所から見違える成長ぶり。元々緊張しやすい性格だが、この日も「落ち着いていけた」と硬くならず自分の相撲を取り切った。昨年12月に独立するまで伊勢ケ浜部屋で指導していた安治川親方(元関脇・安美錦)は「幕内では“自分なんかまだまだ”と思っているのでは」と分析。「あまり変わってないかな」と自身の成長に気付いていない再入幕だからこそ、常に挑戦者の気持ちで臨めている。

 12日目は関脇・大栄翔に挑む。「あと4番もあるので」と優勝を意識しない考えはこれまでと変わらず。その謙虚さと若さを武器に、無欲で賜杯へ突き進んでいく。

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