【ラグビーW杯】姫野主将の原点は駄菓子屋にあり けん玉とベーゴマで培った運動能力&ハングリー精神

2023年10月06日 05:00

ラグビー

【ラグビーW杯】姫野主将の原点は駄菓子屋にあり けん玉とベーゴマで培った運動能力&ハングリー精神
<日本代表移動>ナントに到着した姫野(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 日本代表は8日にナントで1次リーグ最終戦となるアルゼンチン戦に臨む。5日にベースキャンプ地のトゥールーズから空路で決戦の地へ移動した。勝てば2大会連続8強入りが決まる大一番でも、大黒柱として期待されるのがFW姫野和樹主将(29=トヨタ)だ。小中学生だった苦節時代とニュージーランドでプレーした海外挑戦を支えた関係者の証言から、桜のキャプテンのルーツを探った。
 姫野には、1年に1回は必ず訪れる思い出の場所がある。地元・名古屋市にある駄菓子屋「溝口商店」。家庭が裕福ではなかった小中学校時代のこと。放課後やラグビー部の練習後、毎日のように足を運んだ。「もう、本当に生活レベルが低かった。家には帰りたくなくて心の支えは友達で、駄菓子屋に行っていた」。心のよりどころとなり、大切な居場所だった。

 そんな姫野のことを「姫ちゃん」と呼んでかわいがったのが、店主の篠村智子さんだ。姫野と周囲の友達にけん玉やベーゴマ、ゴム跳びを教え、篠村さんが設定したミッションや技をクリアすると、駄菓子と交換できる10~20円券をもらうことができた。「けん玉やベーゴマで技を見せたら10円、20円とかって。お金なかったから0円で行っても80円分くらいになる。スキルもうまくなった」と姫野。遊びのはずがいつしか、本気になって試行錯誤し、失敗や成功を繰り返しながら自らで考える力を養う時間となっていた。篠村さんは「それが狙いなんです。十分に体を使って遊ぶっていうのが、運動能力の基本の一つ。楽しんでるうちに自然の中で育まれる力が一番強い」と言う。

 姫野は苦節時代の経験を「そういうところからハングリー精神がきてる」と振り返る。今ではW杯で日本代表の主将を担うまでになった。「うれしい。サモア戦も朝4時からテレビで見て、涙が出そうになった。いつもお店から応援してるから。全て力を出し切ってほしい」と篠村さん。お店には姫野が来る度に記してくれる直筆サインが飾られている。“姫ちゃん”はあの頃の感謝の思いも胸にアルゼンチン戦のピッチに立つ。

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