【ラグビーW杯】姫野主将を支えた藤井NTDの妻 王国NZでの重圧の中、ご飯&風呂&ゲームでリラックス

2023年10月06日 05:00

ラグビー

【ラグビーW杯】姫野主将を支えた藤井NTDの妻 王国NZでの重圧の中、ご飯&風呂&ゲームでリラックス
ダニーデンのフォーサイスバースタジアムで行われた試合後、記念撮影に収まる姫野(左から2人目)と藤井陽高さん(右隣)、藤井直美さん(右端)ら=藤井直美さん提供 Photo By 提供写真
 日本代表は8日にナントで1次リーグ最終戦となるアルゼンチン戦に臨む。5日にベースキャンプ地のトゥールーズから空路で決戦の地へ移動した。勝てば2大会連続8強入りが決まる大一番でも、大黒柱として期待されるのがFW姫野和樹主将(29=トヨタ)だ。小中学生だった苦節時代とニュージーランドでプレーした海外挑戦を支えた関係者の証言から、桜のキャプテンのルーツを探った。
 21年春、姫野はかつてジョセフ・ヘッドコーチが指揮したハイランダーズに加わり、スーパーラグビーに挑戦した。「自分が活躍できなければ、もう日本人が後に続くことができなくなる」。人一倍、責任感の強い男は自分に重圧をかけ戦い続けた。そんな中で支えになったのが、藤井雄一郎ナショナルチームディレクター(54)の妻で本拠地ダニーディンに暮らす直美さん(53)だった。

 「主人から“よろしく”と言われてました。週に3、4日は来ましたね。私もプロではないので、男の子に食べさせるようなものばかりでしたけど、喜んで食べてくれました」

 当初、若手同僚と同じアパートに住んでいた姫野。最大のネックが食事で、家庭料理で支えたのが直美さんだった。そして訪問するたび、ニュージーランドでは珍しい湯船に漬かって心と体をほぐした。食事後は、三男の陽高さん(当時12)とゲームに興じてリラックス。3人の息子の母親として「息子みたいな感じで受け入れた」ことが、張り詰め続けていた姫野の心を解きほぐした。

 最初は強化責任者の藤井氏の家族ということで、どこか「緊張感があった」というが、打ち解けるまでに時間はかからなかった。8月に出版された姫野の自著にも書かれた苦難の少年時代の思い出を語られたのも、家族の一員のようになった、ある日のことだった。

 「ポツリと話してくれました。小さなころはきちんと食べるのも難しかったと。“昔には戻りたくない”“でも頑張れるのは両親のおかげ”“みんなに助けられて感謝している”と言ってました。反骨精神を感じました」

 同国で過ごした時間が血肉となり、現在は主将も務める姫野。直美さんは改めて「真面目で優しい子なので、結果が出なかった時期は苦しんだと思う。楽しんでほしい」とエールを送った。 

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