【バレー五輪予選】関田 肩揺らして嗚咽 天国の藤井さんに報告「藤井さんがいたかった場所に」

2023年10月07日 21:47

バレーボール

【バレー五輪予選】関田 肩揺らして嗚咽 天国の藤井さんに報告「藤井さんがいたかった場所に」
<日本・スロベニア>藤井直伸さんのユニホームを手にする関田(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【バレーボール・パリ五輪予選男子東京大会兼W杯第6日   日本3-0スロベニア ( 2023年10月7日    東京・国立代々木競技場 )】 4勝1敗で五輪出場圏2位の日本は、3位のスロベニアを3―0で下し、4連勝を飾った。ストレート勝ちなら五輪切符獲得が決まる大一番で第1セット25―21、第2セットも25―22で連取に成功。勝負の第3セットも25―18で奪い、見事に五輪出場権を獲得した。08年北京大会以来となる予選での五輪切符獲得となった。
 試合後に背番号3、藤井直伸さんのユニホームを着て、関田はインタビューに臨んだ。セッターとして東京五輪に出場し3月に31歳でなくなった藤井さんにどんなメッセージを送りますか、と聞かれると、「いや…もう…」と話し、嗚咽を漏らして肩を揺らした。

 「本当に、しんどかったですし、藤井さんがいたかった場所に、自分もここに立って精いっぱい頑張ろうと思って、戦った結果。みんなも一生懸命、助けてくれた。良い結果が出たので、本当によかったと思います」と涙を拭った。

 第2戦目のエジプト戦に敗れた夜、藤井さんの映像を見て、気持ちを新たにした。「そういう運命だった」。そこから日本は快進撃。4戦連続のストレート勝ちで五輪切符を手にした。関田もこの日はブロック、スパイクとセッターの役割を超えた好プレーも披露。このプレーには「最高で~す」とちょっとだけおどけて喜んだ。

 姉の影響で小学1年時にバレーボールを始めた。東洋高では主戦セッターとして春高バレーで全国制覇を果たした。中大では、2学年下の石川らとプレーし、全日本大学選手権2連覇など数々のタイトルを手にした。

 パナソニック入社後の16年日本代表に初選出されると、同年のリオ五輪世界最終予選にも出場。21年東京五輪では正セッターとして全試合に先発出場し、8強入りに貢献した。

 五輪後はポーランドに渡り、高いブロックをかわすための技術を高めるとともに、タフさを身につけた。1メートル75と小柄な司令塔は巧みなトスワークが持ち味。今年のネーションズリーグではミドルとサイドを使い分ける頭脳的なゲームメークで快進撃を支えた。

 逆転負けしたエジプト戦後は責任を痛感し目を真っ赤にして「すいません」と言葉少なだった。しかしチュニジア戦以降はミドルを積極的に使う本来のトスワークが復活。アタッカー陣を生かした。

 ◇関田 誠大(せきた・まさひろ)1993年(平5)11月20日生まれ、東京都出身の29歳。東洋高、中大を経て15年パナソニック加入。18年堺移籍、21年ポーランド1部ルビン移籍。22年ジェイテクト移籍。16年日本代表初選出。18、22年世界選手権、19年W杯、21年東京五輪などに出場。1メートル75、71キロ。セッター。

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