【バレー五輪予選】石川主将 涙で「うれしい」リオ予選、東京五輪の悔しさから成長 52年ぶりメダル狙う

2023年10月07日 20:59

バレーボール

【バレー五輪予選】石川主将 涙で「うれしい」リオ予選、東京五輪の悔しさから成長 52年ぶりメダル狙う
<日本・スロベニア>第1セットを奪い雄たけびを上げる石川(右)と高橋藍(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【バレーボール・パリ五輪予選男子東京大会兼W杯第6日   日本3-0スロベニア ( 2023年10月7日    東京・国立代々木競技場 )】 4勝1敗で五輪出場圏2位の日本は、3位のスロベニアを3―0で下し、4連勝を飾った。ストレート勝ちなら五輪切符獲得が決まる大一番で第1セット25―21、第2セットも25―22で連取に成功。勝負の第3セットも25―18で奪い、見事に五輪出場権を獲得した。08年北京大会以来となる予選での五輪切符獲得となった。
 石川は「本当に苦しい状況でしたし、最後まで自分たちを信じて戦った結果。目標を達成したの、すごくうれしいです」と話すと、頬を涙がつたい、会場からは拍手が沸き起こった。苦しい戦いを乗り越えての五輪切符。「最高のメンバー。自分たちの強さを証明できた。皆さんと喜べて、とても幸せ」と会場のファンに向かって話した。

 また主将として、チームメートに向ける言葉には「言葉にはならないが、みんなに感謝したい」と話し、「来年パリでメダルを獲る目標を、これからつくっていく。皆さんにその姿を見せたい」と宣言し、大きな拍手に包まれた。

 「今季最大の目標が五輪予選で切符を取ること」と石川は何度も口にした。リオ五輪世界最終予選は両膝、腰の負傷に苦しみ、敗退が決まったオーストラリア戦は右足首を捻挫し終了をベンチから見守った。それ以来の五輪予選。主将の責任も負うだけに特別な思いがあった。逆転負けしたエジプト戦後は選手を集めて「切り替えよう」と鼓舞。腰痛の影響で万全ではなかったが、2日に下半身の筋トレを再開すると切れが戻り得点を量産した。

 中大監督として石川を指導した松永理生氏(東山高監督)は「彼は水みたいな選手。順応性が高く、どんな壁にも対応する」と証言する。根底に「何とかなるという感覚がある」(松永氏)という。

 中大1年時、イタリア・モデナからオファーが来た時も「行きます」と即答した。イタリア語は話せなかったが、トイレに単語を書いた紙を貼って覚えるなど猛勉強で克服。移籍当初はケガが続いたが、背中とでん部を中心に鍛え、負傷しにくい肉体を作り上げた。

 21年東京五輪では準々決勝でブラジルにストレート負け。「僕が選手としてもチームの柱としても成長しなければいけない」と悔しさをかみしめた。その日から努力を重ね、ミラノでは22~23年にチーム初の4強に導き、今年ネーションズリーグでは日本代表に銅メダルをもたらした。パリ五輪では72年ミュンヘン五輪以来52年ぶりのメダルを狙う。

 ◇石川 祐希(いしかわ・ゆうき)1995年(平7)12月11日生まれ、愛知県出身の27歳。星城高から中大に進学。在学中の14年イタリアに渡りモデナ、ラティーナ、シエナ、パドバを経て現在ミラノ所属。14年日本代表初選出。18、22年世界選手権、21年東京五輪出場。1メートル92、88キロ。アウトサイドヒッター。

おすすめテーマ

2023年10月07日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム