「子どもの習い事、結果が出なければ意味がない」と考える親に伝えたいこと
2023年10月19日 09:00
子どもにスポーツをさせたいと思っている、もしくはスポーツをさせているお父さんお母さんは多いでしょう。そして「やるからにはそれなりになって欲しい」と考えるのは、親として当然といえます。
しかし体力的な問題や、まわりの子との成長の個人差、スポーツとの相性などにより、うまく活躍できないことも少なくありません。そのとき、親としてどのように考え、接してあげられるでしょうか。
一番苦しんでいるのは本人かもしれないのに、「結果が出ていないのは努力が足りないから」と語ったり、結果が出ていないと「ダメな子」と言ってしまったり。親の考え方や接し方で、子どもの将来は大きく変わります。
どのように考え、接してあげたらいいのか。親が実践したい心の教育について、教育現場でスポーツ指導の実績を持つ筆者が紹介します。
結果が出なければスポーツをやった意味はないのか?
具体的な例として、「サッカーが上手ではなく、試合に出ることができない」としましょう。
それでも、たとえば次のような成長が見られるのであれば、どうでしょうか。サッカーの練習をしてきた価値があるのではないでしょうか。
- サッカーが好きで楽しんで練習を行っている
- もとは嫌いだったが真剣に取り組むようになった
- 自分なりに工夫している
- うまくいかなくても、相手に負けてもイライラせずに、次に向けて気持ちを整理できる
- まわりの人にアドバイスを聞きながら練習できる
- コーチの話をしっかり聞き、感謝の気持ちを持てる
練習を積み重ねてきたからこそ、これらの力が身についたり、成長が見られるようになっていきます。
たとえ他人より下手でも、あるいは試合に出られなくても、上記のような「非認知能力」が身についたり、その方向に向かったりしているのであれば、今後の人生において大きな財産を得たと言えるでしょう。
重視されているのは「非認知能力」
新学習指導要領により、平成30年度から教育が変わりました。とくに、幼児教育において「非認知能力」を育てていきたいという内容になっています。
非認知能力とは、学力のように数字にできない力を指しています。
「粘り強さ」「協調性」「やり抜く力」「自制心」「感謝する力」などを指し、それらは以下の3つに分類されるとしています。
- 目標に向かってやり抜こうとする力
- 感情をコントロールする力
- 人と上手にコミュニケーションを取る力
非認知能力が育まれにくい現状
今の時代は、非認知能力が育まれにくいとされています。
本来は、近所のお兄さん・お姉さんやお友達と外で遊ぶなどして、そのカッコイイ姿に「あんな風になりたい」という憧れを抱き、自然と非認知能力は育ってくるものでした。
しかし社会が発展するにつれ、大人の都合で子ども社会が崩壊しており、子どもが犠牲になってしまっています。
そのため、現在の子どもたちはそのような気持ちや力を育てる機会が少なく、成長してきてしまったのです。
ときには「最近の子どもは……」と思うことがあるかもしれませんが、そんなときこそ、非認知能力の大切さを伝えてあげてください。
[プロフィール]
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年生まれ、静岡県出身。小中大でバスケを指導し、独創的理論・論理的指導で選手育成をする。体力テストが低水準校で県優勝し、無名選手達で東海大会6位となる。最高は全国準優勝。2019年度より旭川大学短期大学部准教授として、これらの理論を応用した幼児体育・健康の研究を行う。またパーソナルストレッチやスポーツスタッキング、部活動改革にも取組む。
[HP] https://mt-a.jimdo.com
<Text:赤堀達也>
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