涙の織田信成「非常に残念」復帰手続き不備で全日本出られず 西日本で大逆転優勝も

2023年10月28日 17:41

フィギュアスケート

涙の織田信成「非常に残念」復帰手続き不備で全日本出られず 西日本で大逆転優勝も
西日本選手権でフリーの演技に臨む織田 Photo By スポニチ
 日本スケート連盟は28日、昨季に現役復帰した10年バンクーバー五輪7位入賞の織田信成(36=大阪スケート倶楽部)が、復帰手続きに不備があったため、12月の全日本選手権に出場しないことを発表した。
 この日、織田は西日本選手権の男子フリーで155・45点をマーク。合計216・75点とし、SP7位から大逆転優勝を果たした。西日本選手権の男子上位6人が全日本に出場できるが、織田は国内最高峰のリンクに立つことはできない。

 織田は13年12月の全日本選手権で現役引退を表明。トップアスリートは日本アンチ・ドーピング規程に基づく「登録検査対象者リスト」(RTP)に含まれ、織田もRTPアスリートだった。RTPアスリートが引退後に競技へ復帰する際は、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)に指定されている国内競技大会(国内最高レベルの競技大会、全日本選手権や国体)に出場する6カ月前までにJADAに「復帰届」を提出し、競技外検査を受ける義務を負っている。この旨はJADAに提出する「引退届」にも明記されている。

 だが、今夏に織田が「復帰届」を提出していないことが判明。JADAが織田の復帰意向を確認したのは今年7月18日で、復帰可能日は24年1月19日となった。

 競技終了後、取材に応じた織田は「全日本に出場できないというのは、非常に残念でしたし、最近まで出られるように模索してくれていたけど、この大会前に絶対に(全日本)に出られないのは分かっていた。SPの演技の前に気持ちがよぎってしまって、打ち勝てなかったのが、自分の弱さが出てしまったのが悔しくて。フリーも滑る前は精神的にはキツいなと言う感じだったけど、母親から、思い切り楽しんできたらいいから、と声をかけてもらって。自分の力を思い切り出せないと楽しめないので。覚悟が決まった」と涙を浮かべて言葉を紡いだ。

 ◇織田 信成(おだ・のぶなり)1987年(昭62)3月25日生まれ、大阪府高槻市出身の36歳。7歳で競技を始め、06年に四大陸選手権優勝、08年に全日本選手権優勝。10年バンクーバー五輪7位入賞。13年の全日本選手権後に引退を表明し、昨年11月に現役復帰。1メートル64。

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