杉浦悠太 史上7人目アマチュアVで異例の即プロ宣言

2023年11月20日 04:45

ゴルフ

杉浦悠太 史上7人目アマチュアVで異例の即プロ宣言
18番、ウイニングパットを決め感極まる杉浦(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス最終日 ( 2023年11月19日    宮崎県 フェニックスCC=7042ヤード、パー71 )】 アマチュアの杉浦悠太(22=日大4年)が優勝即プロ宣言だ。2位に4打差の首位から出て、4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーのパープレーで回り、通算12アンダーで逃げ切った。男子ツアーでのアマ優勝は昨年に2大会を制した蝉川泰果以来、史上7人目。1980年の倉本昌弘、2007年の石川遼、11年の松山英樹らスター選手や若手の実力者たちに続く快挙を成し遂げた。
 18番グリーンでの優勝スピーチ。晴れやかな表情で、そして高らかに杉浦が決意表明だ。「プロ宣言することにしました!」。異例の優勝即プロ転向にギャラリーから大きな拍手が湧き起こった。

 「メジャーに勝った選手がいる中で本当にうれしい。4打差が4打差に感じなかった」。60台を3日続けたラウンドから一転、生みの苦しさを味わった。2位に4打差をつけて折り返した後の11番でダブルボギー、12番でボギーと一気にスコアを落とし、後続に2打差まで迫られた。「ティーグラウンドに立つのが怖くなった」。感じたことのない重圧――。そんな弱気の虫を振り払ったのは正確なショットと秘めた強い気持ちだった。

 13番をパーでしのぎ迎えた14番。「僕の中では一番、狭いホール。でも1Wを持たないといけない。自分を信じた」。きっちりフェアウエーに置いてパーを取り、終盤の2つのバーディーにつなげた。ここ一番で出た曲がらない一打は高校時代から折り紙付きだ。17年に石川遼が開催したジュニアの大会で優勝。石川は「当時高1で初めて会ったが、本当に曲がらない選手。今はそのまま飛距離が出ている感じ」と話す。同組の中島は「テンポ良く淡々とプレーする」と評すように表には動揺を見せない強い心が他に追い上げを許さなかった。

 アマ優勝はツアー7人目。ナショナルチームの先輩である金谷、中島、蝉川らに続き「僕より実力のある先輩たち。自分も優勝したかった」と肩を並べた。今大会は海外から松山、ケプカらメジャー覇者が招待され、大会50年の歴史ではウッズやワトソンらビッグネームが優勝している。その中で新たな歴史を築いた。

 早速、ツアーメンバー登録を済ませ、次週からの今季2戦をプロとして戦う。「まずはプロ1勝が目標」。その先には海外挑戦もある。ただ、目標は勝ち星だけではない。「松山さんや、中島さんはギャラリーの数が凄かった。みんなに応援してもらえるような選手になりたい」。目指すは強くて魅せるプロゴルファーだ。

 《杉浦悠太プロフィール》
 ☆生まれとサイズ 2001年(平13)9月12日生まれ、愛知県出身の22歳。1メートル72、74キロ。

 ☆経歴 4歳から父の影響でゴルフを始める。福井工大福井―日大。

 ☆憧れの選手 石川遼。小学生の時に「何度も優勝する姿を見て格好いいなと思った」のがプロを目指すきっかけに。

 ☆主な実績 18年日本ジュニア、19年全国高校選手権春季大会優勝。今年9月のパンパシフィック大学ゴルフスーパーリーグでは個人、団体の2冠。9月の下部ツアーのダンロップ・フェニックストーナメントチャレンジ優勝で今回の出場権を得た。

 ☆武器と飛距離 得意クラブはウエッジ。1Wの平均飛距離は290ヤード。

 ☆趣味 野球観戦。

 ☆好きな食べ物 焼き肉。大会中は宮崎牛を堪能。

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