ラグビー京産大 気迫の17大会ぶりワセダ撃破 辻野から35得点 準決勝はメイジを倒す

2023年12月24日 07:15

ラグビー

ラグビー京産大 気迫の17大会ぶりワセダ撃破 辻野から35得点 準決勝はメイジを倒す
<京産大・早大>圧勝に歓喜する京産大フィフティーン Photo By スポニチ
 【全国大学選手権準々決勝   京産大65ー28早大 ( 2023年12月23日    ヨドコウスタジアム )】 関西王者で初の大学日本一を狙う京産大が早大を65―28で圧倒し、3大会連続の4強入りを決めた。FB辻野隼大(3年=京都成章)が2トライ8ゴール3PGの活躍。1人で35点をたたき出し、昨大会の準決勝で1点差で敗れた早大に雪辱した。早大戦勝利は1997年度以来26大会ぶり。関西勢2校が4強入りするのは7大会ぶり。来年1月2日の準決勝(国立競技場)で京産大は明大と、天理大は2連覇中の帝京大と激突する。
 正確無比なキックが決まるたびに、観客が掲げる無数のフラッグが激しく揺れた。京産大のFB辻野がゴールキック8本にPG3本すべてを成功させ、足だけで25得点。後半26、同38分にはトライも挙げ、たった一人で35点をたたき出した。

 「京産大のひたむきなプレーが、こういうスコアにつながった。みんなが僕にボールをつないでくれたり(キックを)任せてくれたりしたからこその得点です」

 前半5分に1本目のPGを難なく沈めると、絶妙だったのは前半30分のゴールキックだ。左隅の難しい位置。右足から放たれた楕円(だえん)球は、美しい弧を描いてポールの間を通過した。ゾーンに入ると、以降もノーミス。昨大会準決勝で1点差で惜敗した東の名門から26大会ぶりの白星をもぎ取った。

 今季の関西リーグで得点ランキング3位となる65点をたたき出し、3連覇に貢献した。ただ、決して好調ではなく、最終節の天理大戦から3週間で向上を目指した。個人練習では「蹴りすぎてわからなくなる」と言うくらい、一日の最低ノルマは70本。蹴り方や蹴るまでの歩数を細かく調整しながらスマホで撮影し、何度も動画で見返した。かつてゴールデン・ブーツと形容され、日本代表SOとして活躍した広瀬佳司監督からは技術論よりも「自分を信じろ」と、精神面で後押しされた。絶対に勝たなければならない一戦で、その全てがかみ合った。

 主将を務めるフランカーの三木は京都成章高時代から慕う先輩だ。その先輩を「皓正(こうせい)」と下の名前で呼べるほど信頼関係は強固だ。準決勝の相手は明大に決まった。準決勝は過去9度挑戦し、全てはね返されてきた厚い壁だ。ただ、宿敵を破った今回は違う。「4年生と絶対にもう一回ラグビーをするんだという気持ちが一番強かった。ここまで来たら、京産の歴史を変えて日本一まで上り詰めたい」。“10度目の正直”を果たした先に、栄光への挑戦権が待っている。
  (北野 将市)

 ◇辻野 隼大(つじの・はやた)2002年(平14)12月25日生まれ、大阪市出身の20歳。長吉西中でラグビーを始める。京都成章では3年連続で冬の花園大会出場。20年度の第100回大会で準優勝。経済学部3年。50メートル走6秒2。1メートル78、85キロ。FB、SO。

 ○…No・8ポルテレが逆転のトライをねじ込んだ。6―7で迎えた前半22分、敵陣中央22メートルライン手前のラックからボールを受けると、5人をなぎ倒しながら突進。圧倒的なパワーに観客席からどよめきの声が上がった。母国トンガの陸上大会で100メートルと200メートル走で優勝したこともあるというスピードも持ち味の背番号8。「ボールを持ったまま絶対にトライまでいってやるという覚悟でした」と屈強な胸を張った。

 

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