筋トレ効果を高める「10分間ウォームアップ(ウォーミングアップ)」とは。種類とメニュー例を解説
2024年01月12日 09:00
トレーニングをする上で「ウォームアップ(ウォーミングアップ)」は大切であることに、異議を唱える人はほぼいないでしょう。どのようなレベルのアスリートであれ、トレーニングの前に体と心の準備運動を行うことは、最大パフォーマンスを発揮するために必須です。
ウォームアップは、トレーニング強度と内容によって種類が変わります。軽いジョギングをする場合ならウォームアップは不要ですが、100mダッシュを全力で行う前には入念なウォームアップが必要です。
同じように、ハードな筋トレをする際はそれだけウォームアップの重要性も増します。
ここでは1時間程度の筋トレを行うと仮定して、約10分間で終わるウォームアップを紹介します。
ウォームアップを行うと、身体にどんな変化が起きるのか
適切なウォームアップを行うことで、身体にはいくつかの反応が起きます。それらは「体温の上昇に伴う反応」と「それ以外の反応」に大きく分けられます。
- 体温の上昇に伴う反応:筋肉温度の上昇、神経機能の強化 など
- 体温以外の反応:筋肉への血流増加、酸素消費量の上昇 など
簡単に言えば、体がポカポカして、心拍数が上がった状態を作り出すのがウォームアップです。ウォームアップを行うことで、トレーニング本番のパフォーマンスを上げてくれるでしょう。
気持ちを切り替える精神的効果も見逃せません。
ウォームアップの種類と順番
原則として、筋トレ前のウォームアップは以下の順番で行います。
1)軽い有酸素運動で心拍数と体温を上げる
2)アクティブ・ストレッチで筋肉と関節をほぐす
3)軽い負荷のセットで動作を体に慣らす
軽い有酸素運動で心拍数と体温を上げる
ジョグや自転車漕ぎ、縄跳びなどを5分間ほど行います。ゆるやかに心拍数と体温を上げることが目的ですので、ゆっくりとしたペースを心がけましょう。
ジョグを例にすると、最初は速歩き程度のスピードから始め、徐々にスピードを上げていきます。ただし、全力疾走はしません。
アクティブ・ストレッチで筋肉と関節をほぐす
動きながら体をほぐします。たとえば、「ラジオ体操」はとてもよいアクティブ・ストレッチです。
長い時間じっと筋肉を伸ばす静的ストレッチは、動かないことにより体が冷えてしまうため、ウォームアップには適しません。
筋肉が弛緩しすぎると、運動パフォーマンスが落ちるというデータもあります。
アクティブ・ストレッチは、本番の筋トレで使う筋肉とその拮抗筋肉に刺激を与え、関節の可動域を広げることが目的です。
従って、その日の筋トレのメニューにより、アクティブ・ストレッチで重点を置く体の箇所も変わります。
たとえばスクワットを行うなら太ももの表裏両側、ベンチプレスを行うなら胸と背中の両方を動かすことを心がけてください。
軽い負荷のセットで動作を体に慣らす
その日のメイントレーニングと同じ動作を、軽い負荷、あるいは自重のみで行います。ウォームアップ効果に加えて、本番動作のリハーサルやフォームの確認にもなるでしょう。
複数種目の筋トレに取り組む場合は、その種目ごとに軽い負荷のセットを行うことをおすすめします。その際、ウォームアップ用のセットは本番のセット数には含めません。
トレーニング内容に応じた10分間ウォームアップ
▲筆者作成
上記で挙げている時間や回数は、あくまで目安です。必ずしも10分間で終わらなくてはいけないわけではありません。
本番トレーニングの強度が高ければ高いほど、ウォームアップにかかる時間も長くなります。
ウォームアップはトレーニング効果を高め、怪我を予防する
グループレッスンやパーソナルトレーニングなどでは、インストラクターがウォームアップを指示してくれます。
しかし1人でトレーニングに取り組むときは省略してしまいがちです。「時間がない」「面倒くさい」「やらなくても大丈夫」など、その理由はさまざまでしょう。
しかし、せっかくのトレーニング効果を減らしたり、ケガのリスクを高めたりしないように、ウォームアップを習慣づけるようにしましょう。
筆者プロフィール
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani
<Text & Photo:角谷剛&編集部>
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