【東京マラソン】諏訪利成氏の目 悔やまれる西山のラスト7キロ パリ代表3人は「良いバランス」

2024年03月03日 21:42

マラソン

【東京マラソン】諏訪利成氏の目 悔やまれる西山のラスト7キロ パリ代表3人は「良いバランス」
<東京マラソン2024>ゴール後、涙する西山雄(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【東京マラソン ( 2024年3月3日    東京都庁~東京駅前の42・195キロ )】 パリ五輪代表の男子3枠目をかけたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ最終戦として行われ、西山雄介(トヨタ自動車)が2時間6分31秒で日本人トップの9位に入った。設定記録2時間5分50秒には届かず、昨年10月のMGC3位の大迫傑(ナイキ)が6位入賞した東京五輪に続き2大会連続の出場権を獲得。アテネ五輪男子マラソン6位入賞で上武大駅伝部監督の諏訪利成氏がレースを振り返り、パリ五輪への展望を語った。
 今回の東京マラソンはアクシデントの多いレースだった。その中で強さを見せた西山は五輪への思いが一番強かったのだと思う。西山は日本勢トップとなった最後の7キロまでに余裕を持ちきれなかった。もう少し前にいた外国人グループに追いつけていれば、単独走ではなく競争相手と一緒に走ることができたと思う。

 ペースメーカーの不安定さもあったが、ペースの上げ下げはどのレースでもある。ペースメーカーに頼りすぎると、自分のレースより相手あってのレースになってしまう。MGCファイナルチャレンジ3戦を見た印象は、2時間5分50秒という記録狙いだけになり、選手たちは今の力量を見極められなかった。マラソンは42・195キロのトータルでのタイム。気象条件もあるが、今の力を42・195キロに向けて使い切るより、ペースメーカーありきで2時間5分50秒ペースでどこまで行けるかになってしまった。

 これでパリ五輪代表の3人がでそろった。良いバランスが取れている。経験ある大迫と、小山直城(ホンダ)、赤崎暁(九電工)は27、26歳と一番勢いづく年齢。経験含めチャレンジできる実力を持っている2人だと思う。

 パリ五輪は累積高低差(獲得標高)438メートルと起伏あるコースとなる。準備としては対策を練るより、自分がどれだけ出し切れるかに集中していけば良い。最近は周回のレースが多く、折り返しや集団がバラけやすいポイントなど仕掛けどころがあったが、同じコースを通らないパリ五輪はレースが始まらないと未知な部分も多く非常にやりがいがある。私の出場したアテネ五輪も1本道で、そのときどきの判断力が重要となった。

 代表3選手はどういう練習プランを組むか分からないが、五輪の本番に向けてそれぞれが今必要なプランで調整をしていると思う。最近タイムを意識していた大迫選手は、起伏の激しいボストンを選び、自身も「ワクワクする」というレースに出場する。大阪マラソンを走った小山、起伏のある青梅マラソンに出場した赤崎についても、本番に向けて支えてくれるスタッフ、練習環境、スケジューリングなど充実した後ろ盾をつくっている印象だ。

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