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笹生 “イチ流トレ”でメジャー2勝 動画見て研究、器具を空輸も

2024年06月04日 05:00

ゴルフ

笹生 “イチ流トレ”でメジャー2勝 動画見て研究、器具を空輸も
全米女子オープン2度目の優勝を飾った笹生優花(AP) Photo By AP
 【米女子ゴルフツアー 全米女子オープン最終日 ( 2024年6月2日    米ペンシルベニア州 ランカスターCC=6629ヤード、パー70 )】 2つ目のタイトルの裏には“イチ流”があった。21年に全米女子オープンでメジャー初制覇した後も、笹生は歩みを止めなかった。年齢を重ねて変化する体の進化を求めて昨年初頭に2度、鳥取のトレーニング施設「ワールドウィング」を訪れた。元プロ野球・イチロー氏で知られる初動負荷トレーニングを学ぶためだった。
 同年4月には日本から、米国の拠点であるテキサス州ダラスに6台のトレーニング器具を空輸して設置した。笹生は「優花、イチローさんが好き」と話したことがあったが、父・正和さんによると「いつもイチローさんがトレーニングをしている動画を見ている」という。多額の費用もかかったが、全ては世界一になるため。今年からは末野秀実トレーナーがチームに加わり、強い体をつくりあげた。

 切磋琢磨(せっさたくま)する仲間の存在も、技術面の向上の一助となっている。優勝争いしたミンジ・リー(オーストラリア)、世界ランク3位のセリーヌ・ブティエ(フランス)は同じダラスに拠点を置く仲の良い選手。日常的に連絡を取り合って、それぞれのホームコースで一緒に練習する。一流同士でのラウンドでしか、得られないものがある。

 昨季はメジャーでトップ3が2度と惜敗が続いた。だが、世界最高峰の舞台での優勝争いに加わっていることは、体も技術も進化を続けている証でもあった。2度目の全米女子オープン制覇。「この経験をまた勝利に生かしていきたい」と語った大器には、無限の可能性が広がる。

 ≪現地でも称賛「名を刻んだ」≫全米女子オープンで2度目の優勝を果たした笹生について、大会公式サイトは「Super Saso」と表現。史上初めてフィリピンと日本の2つの国籍で大会制覇を果たしたこと、最年少の複数大会優勝者となったことを紹介し「ランカスターCCで歴史を名を刻んだ」と偉業を称えた。また米NBC放送(電子版)は笹生がロリー・マキロイ似のスイングとパワー(今大会の平均飛距離が4位)で知られていることを紹介し「序盤の4パットを乗り越えて2度目の優勝を果たした」と報じた。

 ≪4アンダーに縁 父・正和さん笑顔≫父・正和さんは最終日も普段通り18ホールついて回った。優勝が決まった後は、涙する娘と抱き合って喜びを分かち合い「3日目も悪くなかったし、今日は一番良かった」とねぎらいの言葉をかけた。ツアーに同行し、普段から食事面なども献身的にサポートする娘思いの優しい父。3年前と同じ通算4アンダーでの優勝は何か不思議な縁を感じるようで、「前回も4で勝ってるから、4という数字は優花にはいいのかもしれない」とうれしそうに目を細めた。

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