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渋野 笹生と“ワンツー”自己最高2位 「ここから新しい章スタート」不振乗り越え完全復活へ手応え

2024年06月04日 05:00

ゴルフ

渋野 笹生と“ワンツー”自己最高2位 「ここから新しい章スタート」不振乗り越え完全復活へ手応え
18番、笑顔を見せる渋野(AP) Photo By AP
 【米女子ゴルフツアー 全米女子オープン最終日 ( 2024年6月2日    米ペンシルベニア州 ランカスターCC=6629ヤード、パー70 )】 4位から出た渋野日向子(25=サントリー)は72にまとめ、通算1アンダーで大会自己最高の2位に入った。
 ラウンドを終えた渋野はクラブハウスで待機していた笹生に「おめでとう」と近づくと、「マジで強い、マジで強い」と祝福のハグ。「そんなことないです」と照れる笹生に、「スコア、スコア(を提出して)」と指摘されると苦笑いしながら、アテスト会場に向かった。自身が予選落ちした昨年の全米女子プロ選手権最終日もコースに残って応援したほど仲の良い妹分。その快挙を素直に喜んだ。

 この日の渋野には笹生に負けない存在感があった。「昨日から吐きそうだった」と緊張を感じていた一方で、「この4日間はボギーを叩こうが、凄ーく前向き。これまでとは次元の違うゴルフができた」。3番から連続ボギーでもズルズル崩れることはない。スコアをイーブンまで落とした後の12番では下り8メートルのスライスラインを沈めてガッツポーズ。最後までアグレッシブなゴルフが2位につながった。

 19年の全英女子オープンで優勝し、一躍人気者となったが、近年はスイングで悩み、左手親指の故障などもあって不振。今季は9試合中6度予選落ちし、世界ランクは192位にまで下がっていた。それでも新たに上田桃子らも指導する辻村明志コーチに志願して弟子入り。「試合をこなしていく中で、自分の振りやすいスイングを思い出してきた」といい、大会前に軟らかいシャフトに一新すると、それが「カチッとはまった」と言う。メジャーは優勝のほかに、これでトップ5は4度目。このタイミングで合わせてきたのは大舞台に強い渋野ならではだった。

 賞金は129万6000ドル(約2億347万円)を獲得。来年大会の出場権も手にした。年間ポイント争いは138位から32位に浮上し、昨年の80位ラインを超えてシード復帰も確実。頂点に手が届きそうだったからこそ「まだまだ勝ちたい気持ちがある。まだ私が頑張れる理由ができた」と決意を新たにした。完全復活への確かな道筋が見え、「ここからまた新しい章がスタートできる」との言葉に力がこもった。

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