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【柔道】舟久保遥香「金メダルを目指していたので、全然手も足も出なかった」涙の銅メダル「何としても…」

2024年07月30日 00:57

柔道

【柔道】舟久保遥香「金メダルを目指していたので、全然手も足も出なかった」涙の銅メダル「何としても…」
<パリ五輪 柔道>女子57キロ級、3位決定戦で勝利し、涙する舟久保遥香(右)(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【パリ五輪第4日 柔道 ( 2024年7月29日    シャンドマルス・アリーナ )】 女子57キロ級の舟久保遥香(25、三井住友海上)が29日、3位決定戦でリオ五輪金メダルのラファエラ・シウバ(32=ブラジル)を下し銅メダルを獲得した。25歳でつかんだ初五輪。準々決勝での悔しさをバネにつかんだメダルは、日本柔道通算100個目のメモリアルとなった。
 準々決勝での開始9秒一本負け。舟久保は敗戦直後、正座したまま呆然とした表情を見せ動けなかった。そこから何とか気持ちを切り替えて臨んだ敗者復活戦は得意の寝技で一本勝ち。3位決定戦でも自分の信じる柔道を貫いた。リオ五輪女王相手に積極的に技を仕掛け続けた舟久保。延長戦に突入後も、相手に先に指導2つ目が与えられ優勢に試合を進めた。途中に右膝を痛めたしぐさを見せたが気迫の柔道を見せ続け、開始9分すぎに相手の投げが「ヘッドダイビング」の判定。シウバの反則負けで銅メダルをつかみ取った。

 深々と畳に一礼した後、涙があふれた。目を真っ赤にした舟久保は「金メダルを目指していたので、全然手も足も出なかったので、本当に悔しいなと思います。(銅メダル獲得は)ここまでたくさんの人に応援してもらったので、何としてもメダルを持って帰りたいなと思っていたので、とりあえず良かったかなと思います」と声を震わせながら語った。

 敗者復活戦にはどう挑んだか問われると「周りの皆さんが盛り上げてくれたので、踏ん張って頑張りました。(3位決定戦は)絶対に心を折ってはいけないと思っていたので、最後まで我慢して戦いました」と強い心で挑んだ25歳。右膝は「大丈夫」と頷いた。最後に銅メダルを悔しさをバネにつかみ取り「この経験を次につなげられるように。まずは次の団体戦に向けて、しっかり修正してやっていきたいなと思います」と目を潤ませ前を向いた。

 ☆生年月日 1998年(平10)10月10日生まれ、山梨県出身の25歳。山梨・富士学苑高を経て17年4月から三井住友海上所属。

 ☆競技歴 6歳で地元の大明見スポーツ少年団で柔道を開始。高校時代は2、3年でインターハイを制し、世界ジュニア選手権は15、17、18年と3度制覇の快挙。シニアの国際大会でも21年以降に結果を出し、世界選手権は22、23年と連続2位。

 ☆舟久保固め 中学時代に研究を重ねたり富士学苑の矢崎雄大監督の助言を受け、変形の腹包み(からの抑え込み技)を考案。ジュニアの国際大会などで使ううちに、世界でも「Funakubo Gatame」として認知されるようになった。21年東京五輪の女子52キロ級決勝で、阿部詩がブシャール(フランス)を破ったのが舟久保固めだった。

 ☆不器用 自他共に認める不器用だが真面目な性格。富士学苑時代の恩師・矢崎雄大監督によると「他の子が10回やってできることを、舟久保は30回やらないとできない。超遅い亀」と表現。一方で膝関節をケガしていた中学時代、稽古ができずに懸垂に取り組ませたところ、手に血豆ができてもテープや軍手をしながら、4時間ぶっ通しで取り組んだ。

 ☆好物 実家ではお米や野菜を育てており、好きな食べ物はお米。大会では母お手製の赤飯のおにぎりを、試合の数だけ作って持参していたという勝負メシでもあった。

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