「まずは最終メンバー」イチローでさえこのセリフ

2009年02月16日 18:29

野球

 【侍ジャパン合宿】最後まで、イチローは慎重に言葉を選んだ。人目を引く言動が印象的だった3年前の代表合宿初日とはまるで違ったスタートだ。「選手の立場としては、まず最終メンバーに入らなくてはいけない。これが今の段階」。
 3年前の代表合宿初日は、メンバーが確定していた。しかし、今回は25日に28人の最終メンバーが発表される。「最終的に(きょうのメンバー)全員が同じチームではできない、ということは分かっている。だから(今は)難しい立場にある」。
 チームとしての成熟と代表入りまでの競争。実績、経験、実力、どれをとってもジャパンの中心であることは間違いないイチローが、この2つを並行させる大切さを強く自覚していた。だからこそ、まず最初の行動から、ほかの代表候補に伝えたかったのか。
 チームで2番目に年長の35歳がウオームアップの先頭グループにいた。「まだおなかも出ていないし…」は、本音をぼかす軽口と見ていいだろう。
 切れのあるベースランニングに、鋭く、強い右翼からの送球、ノックでの“背面キャッチ”やフリー打撃のサク越え。それぞれにファンは大きく反応した。動きの質の高さが、この日だれよりも多く浴びた拍手につながっていた。
 「最終的にメンバーに入っている、というのが大前提。まずそこを(自分を含めた代表候補それぞれが)この1週間でクリアしなくては」
 リーダーに求められるものは、ネームバリューではない。そんなことを周囲に静かに訴えながら、イチローが第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への道を、ゆっくりと歩み始めた。

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