広澤克実氏 流れ引き込んだ陰のヒーローは木浪

2020年07月19日 07:00

野球

広澤克実氏 流れ引き込んだ陰のヒーローは木浪
スポニチ評論家の広澤克実氏
 【セ・リーグ   阪神8-3中日 ( 2020年7月18日    甲子園 )】 【広澤克実 視点】快勝と呼べる試合で、糸原や大山がヒーローだとしたら、陰のヒーローは木浪だろう。
 7番が出塁する無死一塁(もしくは二塁)の形での8番の仕事は大事だ。9番は大方が投手。バントをすれば得点圏には進むが、相手に1アウトを与えてしまう。結果、得点する確率は3分の1以下になり、打った方が得点につながりやすいというデータがある。その意味で3、5回と木浪はしっかりと期待に応えた。

 野球には走攻守という見える要素と、流れや運という見えない要素がある。木浪の2安打はある意味で見えない要素だったが、流れを引き込み、ベンチの空気が良くなったと感じた。場数をこなしたベテラン選手でも、こんなケースで打てることは年に何回もない。特に木浪は試合前まで打率・224。私は「打たせてほしいな」と思って見ていたが、良い意味で驚かされる打撃だった。

 こうなると、待たれるのが近本の復調だ。3回に思惑通りゴロを打ち、打点を挙げたが、本調子に程遠い。まずは現状把握だろう。何が打てていないのかを把握し、修正する作業に取りかかってほしい。それでも状態が戻らないなら、狙い球を絞る作業もいい。今は速い直球を待ち、変化球に対応する打法だ。それを直球か変化球か、どちらかに絞って待つか。もしくは引っ張るか、おっつけるか。ボールの待ち方を変えるのも一手になる。いずれにせよ、近本がスタメンに入ったり出たりでは、打線が落ち着かない。勝率5割も見えてきて、さあ巨人に追いつけ、追い越せという今こそ、近本の復調がカギになるだろう。

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