侍・朗希 160キロ超え剛球ショー2回無失点「ストレートの走り良かった」169キロ誤表示も

2023年02月26日 05:25

野球

侍・朗希 160キロ超え剛球ショー2回無失点「ストレートの走り良かった」169キロ誤表示も
<侍・ソ>力投する佐々木朗(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【壮行試合   日本代表8-4ソフトバンク ( 2023年2月25日    サンマリン宮崎 )】 侍ジャパンは25日、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けてソフトバンクと壮行試合を行い、先発の佐々木朗希投手(21)が2回1安打無失点、3奪三振と好投した。最速162キロをマークした直球では、柳田悠岐外野手(34)から空振り三振を奪った。1次ラウンド3戦目、3月11日のチェコ戦での先発が決定的な「令和の怪物」が、順調な調整ぶりで今年の初実戦の白星に貢献した。
 169キロ。目を疑う球速がテレビに表示された。侍ジャパンの今年の初陣で、佐々木朗の2球目。日本中に夢を届けた。「ストレートの走りは良かった。去年のシーズンと変わらないので、いい形で投げられた」。実際は誤表示で、球場計測では159キロ。それでも、まだ肌寒い2月の宮崎で、熱い「160キロ超え剛球ショー」が繰り広げられた。

 初球は161キロ。自己最速まで2キロに迫る162キロを3度マークし、初回2死では柳田を162キロで空振り三振に仕留めた。直球は計14球で平均160・4キロ。声出し応援が解禁された球場で2万6212人が驚きの声を上げる。11月の強化試合は不慣れなWBC使用球で球威が落ちたが「ボールの慣れだと思います」と適応した。

 球数制限のある戦いでも力を発揮できる。ストライクゾーンで勝負し、空振りが奪えるからだ。2イニングで13球ずつの計26球。佐々木朗にとっては「WBC仕様」ではなく「(球数を少なくするのは)シーズン中も心掛けている」と通常の投球だった。どん詰まりの二塁内野安打1本以外は完璧で、打者6人から3三振を奪い無失点。65球の球数制限のある1次ラウンドで5回を投げ切るには「1イニング=13球」が限度で、普段通り1球も無駄にしない投球でクリアした。

 昨年のシーズン中も「100球限定」の育成法があった。昨年の完全試合は105球で勝ち切ったが、同4月17日の日本ハム戦は2試合連続の大記録達成も視野に入った8回102球で降板。賛否両論の論争が起こったほどだ。遊び球のない環境が抜群の制球力を磨いた。球数制限のある戦いに慣れている。栗山監督からも「素晴らしい。こちらも圧倒されるようなボールに見えた」と称えられた。

 ダルビッシュに助言を受けて改良した曲がりの大きいスライダーも試し、2回2死から今宮を空振り三振に斬った。1次ラウンドは3戦目となる3月11日のチェコ戦での先発登板が決定的。「チームとしても初陣だったので、良い形でスタートできるようにと思った。(調整登板は)残り1試合だと思う。本番を意識した形でいきたい」。異次元の直球とフォークに加え、切れ味の増した「新刀」も携えて臨む。(神田 佑)

 ▼甲斐(バッテリーを組んだ佐々木朗について)本当に凄いなと思った。あれだけの真っすぐとフォークに(加えて)、スライダーも試している。どの球種も良かった。

 ▽WBCの球数制限 前回大会までと同じで、1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球。打席中に制限数に達した場合は、その打席完了まで投球できる(敬遠は球数に含まない)。50球以上では中4日、30球以上では中1日の登板間隔が必要。3連投以上はできない。

 ≪脅威の空振り率16.9%≫佐々木朗の昨季のストライク率(1500球以上)は日本ハム・加藤貴に次ぐ2位の70.4%。3球に2球以上はストライクを取っており、直球(1000球以上)に限れば72.5%まで上昇する。特筆すべきは空振り率が1位の16.9%。球威があるからストライクゾーンで勝負でき、空振りも取れる。最多勝などパ・リーグ3冠に輝き、侍ジャパンで同僚の山本はストライク率が68.9%(5位)、空振り率が14.3%(3位)だった。

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