大谷の二刀流で侍白星発進 4回零封&2点二塁打「この感覚は本当に特別」

2023年03月10日 05:05

野球

大谷の二刀流で侍白星発進 4回零封&2点二塁打「この感覚は本当に特別」
<日本・中国>7回、戸郷がピンチを乗り切り、ガッツポーズの大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【WBC1次ラウンドB組   日本8-1中国 ( 2023年3月9日    東京D )】 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は9日、1次ラウンドB組が東京ドームで開幕。侍ジャパンは中国を8―1で下し、白星発進した。大谷翔平投手(28)は「3番・投手兼DH」で出場。投げては4回1安打無失点、5奪三振で勝利投手、打っても左中間2点二塁打など2安打で初戦白星に貢献した。国際大会で初の二刀流出場。持ち味を存分に発揮し、10日の韓国戦へ侍に勢いをもたらした。
 4万1616人の大観衆が一斉にスマホカメラを向けた。WBC初戦で勝利投手。ヒーローインタビューに登場した大谷は「この感覚は僕自身、本当に特別。全員で勝つことができて素晴らしいゲームだった」と納得の表情を浮かべた。

 自身初のWBC、開幕投手。マウンドに上がると静寂に包まれ、シャッター音だけが響いた。先頭打者からスライダーで空振り三振。地鳴りのような大歓声が響いた。「球数(65)は決まっていたけど、その中でなるべくゼロに抑えることを考えた」。4回1死から2番・楊普(ヨウ・シン)に初安打となる左前打を許したが、昨季までソフトバンクに所属した3番・真砂には5球連続スライダーで空振り三振。4番・陳晨(チン・シン)もスライダーで見逃し三振など、5三振は全てこのスライダーだった。49球中、スライダーは26球(53%)。昨季後半も50%前後の割合を占めるなど、得意球としてきた球種。球数制限もある中、最も打ち取る確率の高いボールを選択し、4回をわずか49球。オープン戦登板は現地時間2月28日の1度のみだったが、直球の最速は160キロを計測し無失点で抑えた。

 試合前ブルペンから大谷流だった。日本ハム在籍時の16、17年に投手コーチでもある吉井投手コーチは「ブルペンで1球もストライクが入っていなかったので、大谷らしいところを久しぶりに見た」と明かした。ストライクを投げるのではなく、変化球の曲がり幅や直球の回転など球質、リリースポイントの確認に費やした。制球力に自信があるからこそ。この日の無四球がその証明だった。

 日本ハム時代の恩師で二刀流の生みの親でもある栗山監督と挑む初のWBC。かつてその恩師から「投げることに関してはうまくない」と評されたこともある「投手・大谷」が大舞台で進化の“凱旋登板”を飾り、中6日で16日の準々決勝に向かうことになる。

 ヒーローインタビューではファンと勝利を分かち合い、そしてこう言った。「これだけ夜遅くまで最後まで残っていただいて感謝してます。ただ、まだまだ(声援が)足りないんで、明日もっともっと大きい声援で、よろしくお願いします」。大谷が日本中を巻き込んで世界一を目指す。(柳原 直之)

 ≪勘違いにニコリ≫大谷が初回の登板後に「勘違い」で笑わせた。マウンドを降りながらMLBでも球審を務めるシューウォーター球審に右手を広げて見せたが笑われ、ハッとした表情を見せた後に笑顔でベンチに下がった。大リーグでは粘着物質使用による不正投球取り締まりとして、イニング間に球審が指先やグラブをチェックしているが、WBCでは同ルールは設けられていない。

おすすめテーマ

2023年03月10日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム