大谷故障の原因は球団側にない?検査「拒否された」エンゼルスGM責任転嫁の暴露発言

2023年08月28日 02:30

野球

大谷故障の原因は球団側にない?検査「拒否された」エンゼルスGM責任転嫁の暴露発言
<メッツ・エンゼルス>試合中、ベンチで渋い表情の大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【インターリーグ   エンゼルス5―3メッツ ( 2023年8月26日    ニューヨーク )】 エンゼルスのペリー・ミナシアンGM(43)が26日(日本時間27日)、右肘の内側側副じん帯損傷で今季中の登板が消滅した大谷翔平投手(29)に対し、3日の負傷降板後にMRI検査を提案して拒まれていたことを明かした。故障の責任を転嫁するような発言で近年の主力の故障禍を裏付けるようにエ軍の管理体制の甘さが浮き彫りに。この日のメッツ戦に「2番・DH」で出場した大谷は2安打1打点、2盗塁で勝利に貢献した。
 エンゼルス担当記者だけでなくニューヨークメディアも一様に首をかしげた。23日の大谷の右肘じん帯損傷判明後、移動日を挟み3日連続となったミナシアンGMの会見。「この数日間、MRI検査に関して多くの問い合わせを受けた」と切り出すと、責任転嫁のような発言が飛び出した。

 大谷が右手中指がつったために4回限りで負傷降板した3日のマリナーズ戦後。球団側はMRI検査を提案したが、大谷とネズ・バレロ代理人が拒んだと明かし「指がつっただけで必要性がない、と彼らが判断したのは理解できる」と言った。大谷は9日のジャイアンツ戦こそ6回1失点で乗り切ったが、登板予定だった16日のレンジャーズ戦を右腕の疲労で回避。23日のレッズ戦で患部が悲鳴を上げた。3日時点で検査をしていれば異常を発見できた可能性はあるが決定権はあくまでも大谷側。“故障の責任は球団にない”と言わんばかりの主張だった。

 ここまで本人の対応がない中、一方的な内容の会見。大谷側がこの会見の内容を知っているかは不明だが、ミナシアンGMは両者の関係性について「信頼関係があり、3年間、良いシーズンを過ごした」と強調。今回の故障の経緯を振り返り「個人的には後悔はない」と開き直る場面もあった。右肘じん帯の損傷箇所については「(再建手術を受けた)18年に損傷したところとは違う箇所だ」と説明したが、18年以来2度目のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切るかは未定で、損傷の程度、セカンドオピニオンの予定などは明かさず。後味の悪い会見だった。

 過去8年連続でポストシーズン(PS)進出を逃しているチームの課題は、戦力以上に故障者の多さ。左手首骨折から復帰を目指した主砲トラウトは痛みが残っているにもかかわらず22日に復帰し、翌23日に負傷者リスト(IL)に逆戻り。三塁手レンドンは故障が多く現在もシーズン3度目のILに入ったままだ。大谷の故障に至る経緯も含め、球団の管理体制の甘さが改めて浮き彫りとなった。

 大谷はメッツ戦で2安打1打点に2盗塁も決めてチームの2連勝に貢献。ただシーズン中に手術を受けると決めれば打者出場も終了となる。最も知りたい情報は、なぜ故障が起こり、これからどんな決断を下すのか。球団の管理体制の甘さを指摘する声に“反発”するようなGMの会見には、全く意味がない。(ニューヨーク・杉浦 大介通信員)

 【大谷の経過】

 ☆8月23日 本拠地で行われたレッズとのダブルヘッダー第1試合に「2番・投手兼DH」で出場し、初回に両リーグトップ44号2ランを放つも、2回途中で緊急降板。その後の検査で「右肘内側側副じん帯損傷」が判明し、今季残り試合に登板しないことが決定。

 ☆同24日(移動日) エンゼルスは大谷が25~27日の敵地メッツ戦に打者出場すると発表。その後の打者出場については「(肘の状態について)追って通知があるまでの出場」との条件付き。

 ☆同25日 メッツ・千賀とのメジャーでの初対決が実現し、右越え二塁打を放つなど1安打2四球と完勝。試合は4打席で出塁し、チームの連敗を4でストップ。申告敬遠時にはニューヨークのファンから大ブーイングが起きた。

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