広島・末包 球団初の新人から2年連続満塁弾 “真っすぐ立つイメージ”で8戦3発

2023年08月28日 06:10

野球

広島・末包 球団初の新人から2年連続満塁弾 “真っすぐ立つイメージ”で8戦3発
<広・ヤ>初回、満塁弾を放った末包(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島7―7ヤクルト ( 2023年8月27日    マツダ )】 広島は27日、ヤクルト戦で今季チーム最長5時間1分の激闘の末、7―7で引き分けた。2点を追う初回に追いつき、なおも2死満塁から末包昇大外野手(27)が右中間へ5号グランドスラム。5回の右翼守備では本塁への好送球で得点を阻止するなど、攻守で奮闘した。6―7の8回1死三塁では堂林翔太内野手(32)が同点の中前適時打。ベンチ入りメンバーを使い切った総力戦で、この日の首位・阪神のマジック減らしを阻止した。
 末包の一撃に、球場にはどよめきと歓声がこだました。同点に追いついた直後の初回2死満塁、高橋の高め直球を右中間席へ。今季5号となる満塁アーチを放った大砲は喜びを爆発させて、ダイヤモンドを一周した。

 「チャンスで回ってきて、サク(坂倉)の良い流れに乗って打つことができた」

 初回は2死から打線がつながり同点に。その流れに乗り、一振りで空気を変えた。満塁弾は22年5月8日のDeNA戦以来の2本目だ。新人から2年連続の満塁本塁打は98、99年の高橋由伸(巨人)以来24年ぶり。球団では初めての快挙となった。期待の大砲が持ち味を発揮し、一挙6点の猛攻に貢献した。

 「中堅から逆方向に打つのは練習から意識している」

 18日の早出練習では新井監督、藤井ヘッドコーチ、朝山打撃コーチから指導を受け、打撃フォームを改造した。タイミングにズレが生じていたことから、背筋を伸ばして真っすぐ立つイメージに修正。首脳陣からメスが入って以降は8試合で3本塁打と量産し、成果は表れている。

 6―7の5回は守備でも魅せた。2死二塁から武岡の右前打を捕球すると、本塁へノーバウンド送球。本塁突入を狙った二塁走者・古賀を補殺した。

 1点もやらないという、この気迫が実を結んだ。1点ビハインドのまま迎えた8回、先頭のデビッドソンの遊ゴロを遊撃手の長岡が一塁へ悪送球(記録は失策)。無死二塁とし、続く坂倉が犠打を決めて1死三塁と好機が拡大すると、ここで堂林が意地を見せた。木沢の内角高めシュートにバットを折られながらも中前に運び、同点に追いついた。

 「気持ちでいった。詰まろうが振り切ろうと思っていた」

 同点のまま延長に突入。ベンチ入りメンバー26人を総動員し、今季最長5時間1分の激闘の末、価値ある引き分けに持ち込んだ。マツダスタジアムでの今季のヤクルト戦は12戦11勝1分けと、不敗神話も継続。新井監督は「本当に全ての面で、“最後まで諦めない”“絶対に勝つ”という、みんなの頑張りを非常に感じた」と称えた。この執念を、さらなる進撃につなげる。(長谷川 凡記)

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