U18日本 前田の頭脳的投球で快勝 三振取りたくないで直球押し 当日対戦決定の韓国に力見せた

2023年09月08日 05:00

野球

U18日本 前田の頭脳的投球で快勝 三振取りたくないで直球押し 当日対戦決定の韓国に力見せた
<日本・韓国>先発して4回無失点に抑えた前田(撮影・河合 洋介) Photo By スポニチ
 【U18W杯・スーパーラウンド   日本7-1韓国 ( 2023年9月7日    台湾・台北 )】 高校日本代表がスーパーラウンド初戦の韓国戦に7―1で勝利し、1次ラウンドからの持ち越しを含めて2勝1敗とした。今大会2度目の先発となった前田悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が4回をわずか47球で1安打無失点。試合相手が当日に決まる異例の形で組まれた日韓戦を制した。10日に行われる決勝も視野に入れ、エースが余力を残しての快投。初の世界一へ、貴重な1勝をつかんだ。
 前田の投球は、国際大会でも変幻自在だ。8奪三振をマークした3日の米国戦から一転、韓国相手に1奪三振。これは計算通りだった。「三振を取れる打者が少なかった。打たせていこうと思いました」。前日の韓国―プエルトリコ戦が降雨でサスペンデッドゲームになり、対戦相手が決まったのは試合当日。打者の研究はできなくても、マウンド上で打者の反応を見極め、1安打無失点に抑えた。

 球数少なく抑えることも使命だった。「三振だと球数が増えてしまう」。直球を軸に組み立て、相手の早打ちを誘った。初回先頭に空振り三振をマークして以降、11個のアウトのうち7個を凡飛で奪った。47球と余力を残して交代。日本ハム・稲葉篤紀GMら、現地で視察するNPBスカウト陣をうならせた。

 「パワーヒッターがいない印象だったので、直球で押しました。フライアウトや内角で詰まらせたりする投球ができたと思います」

 韓国戦の登板は2度目だった。前回は、中1時に米国開催の「カル・リプケン12歳以下世界少年野球」の日本代表として出場した際に対戦。全国から集まった同僚選手の能力の高さに驚き、意識が変わった。父・孝博さんは「米国から帰ってきて、考えて野球をやらないといけないと変わった。そこから体も大きくなりました」と証言。投球フォームを追求して制球難も克服した。今大会は9回2/3を無四球無失点。「中1で国際大会を経験できたからこそ、今回の投球がある」と語った。

 球数を47球にとどめたことで、中1日以降の登板が可能に。中2日で迎える10日の決勝へ、疲労も最小限に抑えられた。「また投げる機会があると思う。自分がゼロに抑えたら負けることはない」。前田を難敵の米国、韓国戦にぶつけて、決勝の先発へ――。日本が描く最高のシナリオ通りに進んでいる。(河合 洋介)

 ▽スーパーラウンド 1次ラウンドのA、B組の上位各3チームが進出し、別組だった3チームと対戦する。各組を勝ち上がった3チーム間の対戦成績が持ち越されるため、米国に勝ち、オランダに敗れている日本は1勝1敗からスタート。2位以内に入れば10日の決勝に、3位か4位なら同日の3位決定戦に進む。

 ▽大会規定
 ☆試合 9回制ではなく7回制、DH制を採用。バットは木製バット。5回以降10点差以上でコールドゲーム、決勝と3位決定戦は採用しない。
 ☆タイブレーク 7回を終え同点の場合は無死一、二塁から攻撃を始めるタイブレークを実施。
 ☆ピッチクロック 投手は20秒以内に投球しなければいけない。打者は残り8秒になるまでに打席で準備を整える必要がある。
 ☆球数制限 1日で40球までの場合は連投可能、41球以上で連投不可。2日間の合計投球数が40球を超えない場合は3連投可能。41~55球の場合は中1日、56~75球は中2日、76~90球は中3日、91~105球は中4日空ける必要がある。

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