ソフトB育成3年目 大城“嘉弥真2世”だ サイドスロー転向の左腕 同じ沖縄出身の先輩のような活躍を

2023年09月19日 05:00

野球

ソフトB育成3年目 大城“嘉弥真2世”だ サイドスロー転向の左腕 同じ沖縄出身の先輩のような活躍を
今季からサイドに転向した大城 Photo By スポニチ
 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けしている筑後鷹。第46回は育成3年目の左腕・大城真乃(しんの)投手(20)だ。今季からサイドスローに転向し、3、4軍の非公式戦では、チーム最多の45試合に登板。2・33の防御率を残すなど手応えをつかむ。セ・リーグで18年ぶりの「アレ」を成し遂げた阪神がキャンプを張る宜野座村出身。同じ沖縄県出身でフォームも同じ嘉弥真新也投手(33)のような活躍を目指す。
 左サイド。それが大城がプロで生き残る道だった。今季44試合目の登板だった3軍ホーム最終戦の11日、独立リーグ徳島戦(タマスタ筑後)。8回から登板し、先頭に安打は打たれたが、後続を併殺に抑えて結果的に3人で斬った。「一年間、試合でしっかり投げきることを目標にしてやってきたので、後半になって疲れもある中で、いいピッチングができるのは、嘉弥真さんのおかげです」と感謝する。

 阪神がキャンプを行い、21世紀枠で初出場した01年センバツ4強の宜野座のある宜野座村出身で初のプロ野球選手。入団2年目だった昨年は主に3軍で先発として29試合に登板し、5勝9敗で防御率3・01と一定の成績を残した。一方で140キロ台の直球の伸び悩みを感じていた。昨年10月にフォームを動作解析し、体の動きが横回転からの方がいいことが分かった。試しにサイドから投げても球速は変わらなかった。「僕も(球速が)落ちるかなと思ったんですけど、そうではなくて。挑戦してみようと思った」と決断した。

 オフには同じ沖縄県出身でサイドスローの大先輩である嘉弥真に弟子入り。「キャッチボールから丁寧に細かく教えていただいた」と基礎ができた。今季、嘉弥真が再調整でファームにいた際は「最近、調子どう?」と声をかけてくれた。背中を追いかける存在だ。先発から主戦場を救援に移してコツコツと結果を出している。今月5日の巨人3軍との練習試合では3者連続三振をマーク。自己最速の145キロも出た。「肘を気持ちだけ上げて投げたんです」と微調整しながら、さらなるレベルアップを誓う。

 見守る森山3軍監督は「左はいいバッターが多い。ああいうピッチャーは重宝されるはずなんですよ。この前は145(キロ)も出たし、伸びた」と成長を感じている。その上で右打者を抑える必要性を説く。「ワンポイントというわけにはなかなかいかない。(右打者に対して)抜くボールなのか、インサイドのボールなのか、逃げるようなボールなのか…」ともう一段階上のレベルを求めている。

 15日からの韓国遠征に同行中。タイブレーク制など日本にないレギュレーションで腕を振る。「中継ぎは(同行する人数が)少ないので、先発に頑張ってほしいです」と笑わせつつ、「早く2軍に上がって結果を残したいので。継続できるようにやっていきます」と目をギラつかせている。(杉浦 友樹)

 ◇大城 真乃(おおしろ・しんの)2002年(平14)11月24日生まれ、沖縄県出身の20歳。宜野座から20年の育成ドラフト7位でソフトバンクに入団。名前の真乃は響きの良さから。背番号は134。1メートル70、69キロ。左投げ左打ち。

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