【岡田阪神18年ぶりVの裏側(5)】岡田監督と一枚岩で戦ったフロント 大竹は「全会一致」で獲得

2023年09月19日 05:45

野球

【岡田阪神18年ぶりVの裏側(5)】岡田監督と一枚岩で戦ったフロント 大竹は「全会一致」で獲得
14日、リーグ優勝を決め、胴上げされる岡田監督。大竹(左)も笑顔 Photo By スポニチ
 フロントの動きが特に迅速な一年だった。昨年10月16日に阪神・岡田監督が就任会見をした2日後、日本ハムと2対2のトレードを成立させ、打力に優れた渡辺諒と高浜を獲得。守備に優れた江越と投手の斎藤を放出し、「右打ちの野手」という補強ポイントを埋めた。渡辺諒はシーズン前半戦、佐藤輝の代役、代打として存在感を見せた。
 球界初の試みの現役ドラフトでは、ソフトバンクから大竹を獲得。昨季まで2軍戦で抑え込まれ、球団は「最も欲しい投手」として高く評価していた。先発左腕が手薄だったこともあって、岡田監督を含めて「全会一致」で獲得を決定。古巣でくすぶっていた大竹は抜群の制球力を武器に新天地で飛躍。2桁勝利を挙げ、18年ぶり優勝の原動力になった。

 日米の年俸格差が大きい今、日本の相場で獲れるクラスは、当たり外れが大きい。そうした背景もあって、外国人選手の補強はお世辞にも、うまくいったとは言えなかった。特に、先発候補のB・ケラーは故障がちで開幕から2軍。右肘手術を求めて球団で折り合わず、球団史上3人目となる1軍登板がないまま、7月に去った。誤算が生じた時のために、フロントは水面下で動いていた。B・ケラーと入れ替わるようにブルワーを獲得。岡田監督はブルペン陣の補強を求めていたこともあって、「編成も気を使ったんちゃうか」と独特の表現で評価した。

 嶌村聡球団本部長(56)は、18年ぶり優勝の要因を「誰がどう見ても岡田監督の力」と称える。しかし、客観的には、昨年まで4年連続Aクラスの土壌があったからこそ今年、花が開いた――とも見て取れる。ドラフト戦略、外国選手の補強、FA&トレードを三位一体で推し進め、チームに太い幹をつくりあげた。「まだまだ若いチームで伸びしろがある。ファンに喜ばれるように、未来につなげたい」。ファンに優勝を18年も待たせないためにも、チーム強化の手を緩めることはない。=終わり=(阪神取材班)

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