大谷を獲得する意志はあるのか?「大物が答えかどうかはわからない」とマリナーズ編成本部長が発言

2023年10月05日 14:27

野球

大谷を獲得する意志はあるのか?「大物が答えかどうかはわからない」とマリナーズ編成本部長が発言
大谷翔平 Photo By スポニチ
 シアトル・マリナーズのジェリー・ディポト編成本部長が4日(日本時間5日)、スコット・サービス監督と共に会見に臨み、今季を総括した。
 昨季は01年以来21年ぶりのポストシーズン進出を成し遂げたが、今季は88勝74敗で、地区優勝に「2勝」足りなかった。ディポト編成本部長は「パフォーマンスの低下か、選手の質が足りなかったのか、なんであろうと最後に力が及ばなかった。もっと良くならないといけないのは明らか」と話している。

 問題は、若手の成長で昨季ポストシーズンに出るほど良いチームになったのに、オフにきちんと補強をしなかったこと。トレードでテオスカー・ヘルナンデス外野手を獲得したが、FA市場での補強はコールテン・ウォン、トミー・ラステラ、AJ・ポラックといったメンバーで費用もかけず、結果も良くなかった。加えてシーズン中もトレードデッドラインで補強するどころか、来季以降のことを考え、ポール・シーワルド投手をダイヤモンドバックスにトレードした。シーワルドはダ軍でクローザーとして大活躍している。

 マ軍は最後の29試合で12勝17敗と失速、あと一歩及ばなかった。なぜ勝てるチャンスがある時に、もっと積極的に動かないのか。それは地元ファンの不満だが、マ軍の選手たちも同様だった。先週ポストシーズンに出られないとわかると、カル・ローリー捕手が「大物投手、大物打者を獲得して、もっと勝つことにコミットしないと」と発言、J・P・クロフォード、ローガン・ギルバートらも同調している。この日、ディポト編成本部長はそういった声に対し、自らの考え方、方向性を説明した。目指しているのは、10年間で勝率54%のチームなのだそうだ。「年によっては60%の年もあれば、50%もある。そんなチームは10年の間に何度かポストシーズンに出られるし、そうなればワールドシリーズに勝ち進むチャンスも出てくる。しかしながら今年は絶対にワールドシリーズに出て、世界一にならないといけないと思い切った行動に出ると、上手く行かなかった場合は、結果泥の中に横たわり、あと10年は起き上がれないことになる。一時の願望は長期の目標を狂わせる。我々は広い視野を持って臨まねばならない」というのである。

 さらに「我々はファンにもワールドシリーズについては辛抱して欲しいと言っている。まずは持続的に優れたチームを作らねばならない」と付け加える。そして大物選手を取ってこなかったとの批判に対しては「大物選手が、我々の問題への答えなのかどうかはわからない。そもそも我々が大きな問題を抱えているかどうかもわからない。大物選手が欲しいかどうかと聞かれれば、もちろんそうだ。でもそれはどのチームも同じこと」としている。

 このディポト編成本部長の発言をそのまま受け取ると、FA市場で大谷翔平を本気で獲得する気がないのかなとも聞こえる。しかしながら、ディポトは17年オフも大谷獲得にとても熱心だったし、このオフのマリナーズの最大の補強ポイントは明らかに打線の軸となるパワーヒッター。大谷が最もフィットする。23年シーズンのサラリー総額は1億3750万ドルで全体18位。サラリー枠もたっぷりある。ちなみに投手陣はチームの強みで防御率3・74は全体3位だった。しかも来季はマルコ・ゴンザレス、エマーソン・ハンコックがキャンプ中に復帰し、ロビー・レイもオールスター後に戻る。こういった状況からも、来季は世界一を目指し、大谷獲得に本腰を入れると予測されるのだが、少なくともこの日ディポト編成本部長は大谷獲得が視野に入っているようには見せなかったのである。

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